日本では、コメは神事で使われることが多い。コメにはイネの霊が籠(こ)められたものという意味で特別なときに「コメ」と呼ばれるようになったと民俗学者は分析する。「コモル」という言葉は古くは神聖で、籠もることは生命の再生の準備段階という大切な意味があったという。朝鮮語の酒の醸造はコメン(コム)、朝鮮祖先神の熊はコム、高麗をコマ、日本での醸造は「醸(かも)す(カモス)」、お供え物は「供米(クマ)」、そして神(カミ)も同系統の言葉との説がある。中世以後の日本でコメと呼ばれるのは、朝鮮半島から稲作と酒文化が流入したことに関係する可能性がある。(『おいしい穀物の科学 コメ、ムギ、トウモロコシからソバ、雑穀まで』井上直人)

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