言動力
魂を揺さぶる言葉の動力(キーワード検索推奨)
こがらな人である、とわかってはいたが、いかにも短軀(たんく)であった。長身の子胥(ししょ)とならべば童子のようにみえるはずであるが、
――その威は、尋常ではない。
と、むしろ子胥が畏縮(いしゅく)した。
晏嬰
(あんえい)はよく光る目をもっていたが、その眼光は相手を威圧するような力をもたず、意外なほど邪気がなかった。容姿全体に軽みがあり、淡々としてそこに在(あ)る、という感じであった。が、子胥の目には、それが怖かった。
(『
湖底の城
』
宮城谷昌光
)
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