「よいか、おのれの目でよく視(み)て、おのれの耳でよく聞いて、書物によってではなく、見聞によって学問をするのだ。商賈(しょうこ)は利のみを追求して、道義を知らぬといわれているが、人民を済(すく)う紳商(しんしょう)もいる。范(はん)氏が紳商であれば、主人から大いに学べ」(『湖底の城宮城谷昌光