旧暦は、暦としては精度が低く、もしも現代で使われていたら、不便さをかこつことになったでしょう。
 しかし、旧暦には、新暦にはない情緒がありました。それは、二十四節気や季節の行事など、暦に季節感が織り込まれていたからです。人々は、季節を繊細に感じながら、日々の暮らしに行事という彩りを添えて、心豊かに生きることを楽しんでいたのです。
(『和ごよみの暮らし 四季折々の生活の知恵』大泉書店編集部編)