寛治が潔の学問のためにしたことはそれだけではなかった。それは潔が少し長じてからのことであるが、寛治は潔に金銭の勘定は一切させなかった。金銭感覚が身につくと学問の邪魔になると考えたからである。(『天上の歌 岡潔の生涯』帯金充利〈おびがね・みつとし〉)

岡潔