「それは激化ということだ。“二つの極”はますます進む。1989年以後、人間はごく少数の新しいタイプの支配者たちと、ひじょうに多数の、新しいタイプの被支配者とに、ますます分かれていく。
一方は、すべてを操り、従える者。他方は、知らず識(し)らずのうちに、すべてを操られ、従わされる者たち。しかも進むのはそれだけじゃない」
(『1999年以後 ヒトラーだけに見えた恐怖の未来図』五島勉)
ヒトラー
平常時の里の音のなり立ちを情報構造の面からみると、木々の葉ずれやざわめき、そして持続的な虫の音などが、具象性と時間的連続性の高い音のベースラインを形成する。その一方で、鳴きかわす鳥の声や断続性の虫の音などが象徴性の音像をかたちづくるほか、人間たちの言葉や音楽などが連節性の音をつくり出し、これらの勢力が時とともに遷移しながら、里の音固有の世界を形成している。(『音と文明 音の環境学ことはじめ』大橋力)
特に行政用語には、用心深くも、皮肉たっぷりな婉曲法が用いられていた。たとえば「虐殺」と言わずに「最終的解決」と言っていた。「流刑」ではなく「移動」であり、「ガスによる殺戮」ではなく「特殊処置」といった具合だった。(『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ:竹山博英訳)
ナチス/強制収容所
ナチス/強制収容所
君子は、つねに自己革新をはかって成長を遂げていく。小人は、表面だけは改めるが、本質にはなんの変化もない。
君子は豹変し、小人(しょうじん)は面(おもて)を革(あらた)む――『易経』革卦(かくか)
(『中国古典 リーダーの心得帖 名著から選んだ100の至言』守屋洋)
君子は豹変し、小人(しょうじん)は面(おもて)を革(あらた)む――『易経』革卦(かくか)
(『中国古典 リーダーの心得帖 名著から選んだ100の至言』守屋洋)
佐藤優●井筒俊彦は天才ですよ。
関岡●慶應の東洋史学科にはアラビア史専攻の前嶋信次もいましたが、井筒俊彦も前嶋信次も慶應が生んだのではなく、東亜経済調査会の「大川(周明)塾」に育てられたんですよ。
(『アメリカの日本改造計画 マスコミが書けない「日米論」』関岡英之、イーストプレス特別取材班編)
関岡●慶應の東洋史学科にはアラビア史専攻の前嶋信次もいましたが、井筒俊彦も前嶋信次も慶應が生んだのではなく、東亜経済調査会の「大川(周明)塾」に育てられたんですよ。
(『アメリカの日本改造計画 マスコミが書けない「日米論」』関岡英之、イーストプレス特別取材班編)
水野●そこが重要なところで、先進国は交易条件が悪化したことで、実物経済では稼げなくなってしまった。そこで金融に儲け口をみいだしていくようになったわけです。(『超マクロ展望 世界経済の真実』水野和夫、萱野稔人)
どんな社会にも盲点がある。直視することが非常にむずかしい側面、と言い換えてもよい。今日の盲点は殺人であり、1世紀前には性だった。(『戦争における「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン:安原和見訳)
戦争
戦争
ホワイト・アンテロープのなきがらを、彼等はあらそって切りきざんだ。スカルプ(※頭皮)はもちろん、耳、鼻、指も切りとられた。睾丸部を切りとった兵士は、煙草入れにするのだと叫んだ。それらの行為は女、子供にもおよんだ。女陰を切取って帽子につける者もいた。乳房をボールのように投げ合う兵士もいた。大人達の死体の山からはい出た3歳くらいの童子は、たちまち射撃の腕前をきそう、好個の標的となった。(『アメリカ・インディアン悲史』藤永茂)
インディアン/アメリカ/キリスト教
インディアン/アメリカ/キリスト教
8世紀に鐙(あぶみ)がフランク族の間で一般に用いられるようになると、馬は機動性のためばかりでなく戦闘のためにも使われるようになった。(『ヨーロッパ史における戦争』マイケル・ハワード:奥村房夫、奥村大作訳)
戦争
戦争
金をもっているものが成功者として尊敬されるということは、金をもっていないものが人生の失敗者として軽蔑されることを意味することになる。(『生活の世界歴史 9 北米大陸に生きる』〈『生活の世界歴史 9 新大陸に生きる』改題〉猿谷要)
アメリカ
アメリカ
遺伝子組み換え作物の開発全体が、多国籍アグリビジネスであることはもはや周知の事実。1980年代から…多国籍化学企業によるM&Aが進み、モンサント、デュポン、シンジェンダ、アベンティスの4社でシェアのほぼ100%を寡占している状態だ。(『面白いほどよくわかる 「タブー」の世界地図 マフィア、原理主義から黒幕まで、世界を牛耳るタブー勢力の全貌』世界情勢を読む会編著)
心に哀しき憧れを抱け。
決してあきらめず、決して希望を失うな。
アラーいわく「我は打ちのめされた者を愛する」。
傷つくがいい。打ちのめされるがいい。
――シャイフ・アブ・サイード・アビル・ヘイル
(『スリー・カップス・オブ・ティー 1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族』グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリヴァー・レーリン)
決してあきらめず、決して希望を失うな。
アラーいわく「我は打ちのめされた者を愛する」。
傷つくがいい。打ちのめされるがいい。
――シャイフ・アブ・サイード・アビル・ヘイル
(『スリー・カップス・オブ・ティー 1杯目はよそ者、2杯目はお客、3杯目は家族』グレッグ・モーテンソン、デイヴィッド・オリヴァー・レーリン)
傍目からはなかなか判断できませんが、それぞれの段階の悟りを開いた人は、自分では自分がどの段階に悟ったか、よくわかるようです。それだけ明確な悟りの「体験」と、それによる心の変化が、悟りの各段階にあるからです。(『悟りの階梯 テーラワーダ仏教が明かす悟りの構造』藤本晃)
仏教
仏教
すなわち、ローマの玉座がキリスト教になり、〈教会〉が権力になったということである。もしコンスタンティヌスがなかったなら、キリスト教はひとつの前衛的宗派にとどまっていたことだろう。(『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』ポール・ヴェーヌ:西永良成、渡名喜庸哲訳)
私は彼から目をそらすことができなかった。少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた。一度も焼かれる弟に目を落とすことはない。軍人も顔負けの見事な直立不動の姿勢で弟を見送ったのだ。(『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録』ジョー・オダネル)
戦争/原爆
戦争/原爆
「みにくく、顔をそむけさせる、おそろしいもの、それこそが戦争ではないか。ポルノグラフィーを排斥する偽善者どもは、戦争に賛成しているのだ」と彼はことばを結んだ。(『フランス版 愛の公開状 妻に捧げる十九章』ジョルジュ・ヴォランスキー)
この実験(サミュエル・ゴスリング)から、一面識もない人物のことを15分間部屋を観察しただけで、長年の知りあいよりも理解できるものだということがわかる。(『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』マルコム・グラッドウェル:高橋啓訳)
ネットワーク科学
ネットワーク科学
アメリカ国民は、ある意味で、虎にまたがった国民になりつつある。彼らはますます消費することを学ばなければならない。さもないと、彼らの巨大な経済のからくりが、彼らに刃向い、彼らをむさぼり食らうかもしれないと警告されているのである。彼らは、もっともっと個人としての消費を高めるように要求され、しむけられなければならない。それは、彼らが商品にたいして差し迫った要求をもっているかどうかには関係ない。日に日に拡大する経済が、それを要求するのである。(『浪費をつくり出す人々』ヴァンス・パッカード:南博、石川弘義訳)
浪費
浪費
(※世界貿易センター爆破事件、1993年)人々は異常なほどのろのろと動いた。爆発から10時間たっても、まだオフィスから避難していない人たちを消防士は発見していた。(『生き残る判断 生き残れない行動』アマンダ・リプリー:岡真知子訳)
災害
災害
私たちの生き方では、政治の決め事は、いつも七代先の人々のことを念頭におきながら行なわれる。これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が、私たちよりも悪い世界で暮らしたりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配るのが、私たちの仕事なのだ。私たちが母なる大地の上を歩くときに、いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれてくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。私たちはそのことを、片時たりとも忘れない。――オレン・ライオンズ(オノンダーガ族)1990年
(『それでもあなたの道を行け インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』ジョセフ・ブルチャック)
インディアン
(『それでもあなたの道を行け インディアンが語るナチュラル・ウィズダム』ジョセフ・ブルチャック)
インディアン
彼らは、自分たちと意見が違う他者たちと共にこの惑星で暮らしていることを知っているのだが、その他者たちと対話したいとは思わない。彼らは、その他者たちの信用を失墜させたり、その他者たちを抑圧したり、殺そうとさえする。(『解明される宗教 進化論的アプローチ』ダニエル・C・デネット
:阿部文彦訳)
科学と宗教
:阿部文彦訳)
科学と宗教
わたしは貧しく、そのうえ裸だ。
だが、わたしは一族の酋長だ。
富を欲しいとは思わないが
子どもたちを正しく育てたいと思っている。
富はわれらによいものをもたらさない。
向こうの世界にもっていくことはできない。
われらは富を欲しない。
平和と愛を欲している。
オグララ・スー族 酋長
レッド・クラウド(マクピヤ=ルータ)〈19世紀後半〉
(『ネイティヴ・アメリカンの教え』写真=エドワード・S・カーティス)
インディアン
だが、わたしは一族の酋長だ。
富を欲しいとは思わないが
子どもたちを正しく育てたいと思っている。
富はわれらによいものをもたらさない。
向こうの世界にもっていくことはできない。
われらは富を欲しない。
平和と愛を欲している。
オグララ・スー族 酋長
レッド・クラウド(マクピヤ=ルータ)〈19世紀後半〉
(『ネイティヴ・アメリカンの教え』写真=エドワード・S・カーティス)
インディアン
人生には本当は「今日」しかないのです。ですから、人生に失敗したくなければ今日に失敗してはいけません。今日に失敗しない人は、明日があったら明日も失敗しませんし、明後日があったら明後日も失敗しません。(『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3』アルボムッレ・スマナサーラ)
仏教
仏教
集合知は会話によって導かれるが、それがもっとも強く意識されるのは、会話と会話のあいだに生じる沈黙においてである。(『集合知の力、衆愚の罠 人と組織にとって最もすばらしいことは何か』アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン)
この考え方が依拠している前提は、ポルノの視覚イメージが強制的なものとして作用し、この強制力によってポルノの描写内容が現実化されるということである。(『触発する言葉 言語・権力・行為体』ジュディス・バトラー:竹村和子訳)
私たちはあい変わらず以前と同じものを持ち、同じ搾取、同じ司祭、同じ組織宗教、同じ迷信、そして同じ階級闘争をかかえています。で、これらは私たちに自由を与えたでしょうか?(『自由とは何か』J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
近代社会を支えてきた科学の底が抜けた中、人々は失われた信頼や信用を埋め合わせるために、絶えず「信心」を作り出そうとする。「信心」は極めて強い「善意」と、表にせり出しにくい「不安」によって支えられている。そうであるが故に、例えば政治は、強いカリスマ性を持った「教祖」を待望するような形で、あるいは、よき社会を開くための分かりやすい「経典」や「迫害対象」を求めるような人々を動員する形で行われる。(『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』開沼博)
私たちの祖先は資源が乏しく、集団どうしで依存し合っていたので、大規模な戦争をはじめたのは、定住して農業に手富を蓄積しだしてからだった。その富のおかげで、ほかの集団を攻撃することのメリットが増えた。(『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール)
なお、四姓の原語はヴァルナといって「色」を意味し、もともとは白色のアーリヤ人とそうでない非アーリヤ人を区別するために用いられたことばである。(『仏教とはなにか その思想を検証する』大正大学仏教学科編)
・仏教
・仏教
一般的に、運動している物体や、相互作用する物体の場合、エネルギーと質量は比例しません。E=mc²は、まったく成り立たないのです。(『物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源』フランク・ウィルチェック)
知識が前に進むのを止めようとしても無駄だ。知っているより知らない方がいいということは決してない。――エンリコ・フェルミ
(『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 フェルミのパラドックス』スティーヴン・ウェッブ)
(『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 フェルミのパラドックス』スティーヴン・ウェッブ)
われわれ文明人の宗教にとつては第一義的に重要なものは教義であり、内的な信仰ないし【さとり】にあるのであるが、古代人にとつては逆に社会的歴史的に伝統化された儀式そのものに最大の意義があるのである。(『宗教批判 宗教とは何か』柳田謙十郎)
彼ら(※キリスト教徒)は、誰が一太刀で体を真二つに斬れるかとか、誰が一撃のもとに首を斬り落とせるかとか、内蔵を破裂させることができるかとか言って賭をした。(『インディアスの破壊についての簡潔な報告』ラス・カサス:染田秀藤訳)
インディアン
インディアン
怒りとは人生を破壊する炎です。炎を消すためには水が必要です。(中略)怒りは思わぬ、ささいなことで点火されるので、日頃から心の井戸に水を溜めておくことが賢明です。(『怒り 心の炎の静め方』ティク・ナット・ハン)
仏教
仏教
卑弥呼は「鬼道」を事とし、「男弟」がこれを補佐し、「婢千人」がその周辺に侍(はべ)るばかりでなく、「宮室・楼観・城柵、厳かに設け、常に人有り、兵を持して守衛す」るまさに初期王権の王者であったといってよい。(『古代日本のこころとかたち』上田正昭)
さいしょは吉田新聞にしよーとおもったけど、元気が出るよーに、ファイト新聞にきめました。よんだ人から、ほめられたり、えがおではなしをしてくれたら、わたしも元気になりました。(『宮城県気仙沼発! ファイト新聞』ファイト新聞社)
「さようなら、とこの国々の人々が別れにさいして口にのぼせる言葉は、もともと「そうならねばならぬのなら」という意味だとそのとき私は教えられた。「そうならねばならぬのなら」。なんという美しいあきらめの表現だろう。(『遠い朝の本たち』須賀敦子)
日本における自動車通行のもっとも特徴的な点も一言にしていえば、歩行者のために存在していた道路に、歩行者の権利を侵害するようなかたちで自動車の通行が許されているという点にある。(『自動車の社会的費用』宇沢弘文)
今日この世界は、何人の安全も保障していない。戦争は数多く発生しているし、暴力行為はあとを断たない。われわれには危険がないと、あえて断言できる人がいるだろうか。(『民間防衛 あらゆる危険から身をまもる』スイス政府編)
【「経済の本質」から言って、物価が上がらない最大の原因は、労働者の賃金が上がらないところにあります】。私は「この本質」が、他のあらゆる経済理論に対して優先されるべきであると確信しています。(『騙されないための世界経済入門』中原圭介)
大恐慌が起こった1930年代でも、ペストが大流行した14世紀でも、もっと昔の氷河時代でもいい。どの時代に戻っても、概して人の一生は今より短く、野蛮で過酷なものだったし、未来を読むことも容易ではなかった。(『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌 人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ』ハリー・S・デント・ジュニア)
私たちはけっして木を見つめません。あるいは見つめるとしても、それはその木陰に坐るとか、あるいはそれを切り倒して木材にするといった利用のためです。(『瞑想と自然』J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
瞑想
瞑想
今日では企業が私たちの生活を支配している。何を食べるか、何を見るか、何を着るか、どこで働くか、何をやるかは、企業が決めているのだ。私たちは企業の風土、それが生み出す風景やイデオロギーに、否応なく取り囲まれている。(『ザ・コーポレーション』マーク・アクバー、ジョエル・ベイカン、ジェニファー・アボット)
日本に対する海外の声は「世界一の金融資産がありながら、自分の国のために自分のカネを使わない。自らデフレをやって経済を小さくし、海外にカネをばら撒いている愚かな国だ」ということだ。(『消費税は0%にできる 負担を減らして社会保障を充実させる経済学』菊池英博)
近年のわが国では、デフレ・ギャップの形で、年々、400兆円以上もの潜在実質GDP(90年価格評価)が実現されえずに、空しく失われ続けているのである。(『政府貨幣特権を発動せよ。 救国の秘策の提言』丹羽春喜)
おれはすわったまま頭を膝につけて〔パターンが発火〕思考を集中させ、じっさいには見えていない左目を通してパッチがおれに見せつづけている共鳴と関係性〔パターンが発火〕のすべてに対処しようとした。(『ひとりっ子』グレッグ・イーガン)
そうだ。思想だ。それを確立させねばならん! それが形成されるべき場において。すなわち、究極において、その所有者と目(もく)される人間のうちに、それは確立させねばならん。(『ダッチマン/奴隷』リロイ・ジョーンズ)
スタークとイアナコーニは、世俗化論一般を批判する際に、宗教に市場経済モデルを適用して、制度宗教を宗教企業、信者を宗教消費者ととらえる。(『現代社会とスピリチュアリティ 現代人の宗教意識の社会学的探究』伊藤雅之)
危機は国家、経済、そして社会の中にあるとわたしたちは考えるのですが、実は私たちの内部にあるのです。危機は外部にあるのではなく、まさに内部にあるのです。が、わたしたちはそのことに直面したがりません。(『英和対訳 変化への挑戦 クリシュナムルティの生涯と教え』J・クリシュナムルティ:柳川晃緒訳)
その大きな重要な点しかもはなはだしばしば論議されている疑問とは次のことです。
生きている生物体の空間的境界の内部で起こる時間・空間的事象は、物理学と化学とにおいてどのように説明されるか?
(『生命とは何か 物理的にみた生細胞』シュレーディンガー:岡小天、鎮目恭夫訳)
生きている生物体の空間的境界の内部で起こる時間・空間的事象は、物理学と化学とにおいてどのように説明されるか?
(『生命とは何か 物理的にみた生細胞』シュレーディンガー:岡小天、鎮目恭夫訳)
思想は一面で単純化されることを嫌う。思想のいのちは、概念をモザイクのように組み換える点にあるのでなく、思想家が彼の生の中でそれを組み換えることを促された、そのプロセスにあるからだ。(『現代思想の冒険』竹田青嗣)
癒しという言葉が活字メディアに登場した時代は、10年ほど前に遡る。(中略)
同時に、スピリチュアリティという言葉も用例を調べると出現の時期はほぼ同じだ。(1997年から増え始めている)
(『霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造』櫻井義秀)
同時に、スピリチュアリティという言葉も用例を調べると出現の時期はほぼ同じだ。(1997年から増え始めている)
(『霊と金 スピリチュアル・ビジネスの構造』櫻井義秀)
ふたつの回路とは「考えること」と「感じること」、「知性」と「感性」、「客観的な分析」と「主観的な洞察」だ。(『クラズナー博士の あなたにもできるヒプノセラピー 人生を成功に導くための「暗示」の作り方』A・M・クラズナー)
綾瀬アジトの摘発によって、革マル派のなかに「JR委員会」という組織が存在することも明らかになった。そして、このJR委員会に所属する約150人のメンバーが「マングローブ」というコードネームで呼ばれていたのだ。(『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』西岡研介)
よくいわれているように、この謎は日米安保のアナロジーで解ける。地球防衛軍はウルトラマンに活動拠点(基地)を提供し、自らは後方支援の役に徹する。つまりウルトラマンとは在日米軍みたいなものなのだ、と。(『たまには、時事ネタ』斎藤美奈子)
孤立が続くと、それが心持ちの一部になる。やがて異質なアイデアを受け入れたくないとさえ思うようになる。この話は日本人にはなじみのあるものではないだろうか。(『「ジャパン」はなぜ負けるのか 経済学が解明するサッカーの不条理』サイモン・クーパー、ステファン・シマンスキー)
おそらく教育者が直面しなければならない最大の困難は、より広く深い教育に父兄が無関心なことだろう。父兄のほとんどは腐敗した社会での立派な地位を児童に確保させる表面的知識を養わせることにしか関心がない。(『未来の生』J・クリシュナムルティ:大野純一訳)
タバコの勝利には目を見張るものがあるが、その主成分ニコチンは決して世界一普及したドラッグではない。第3位なのだ。アルコールが2位、カフェインが1位である。(『ドラッグは世界をいかに変えたか 依存性物質の社会史』デイヴィッド・T・コートライト)
47人のキリシタンたちは大きな声で聖母マリアを称え、火の中でも決して身体を曲げたり、悲鳴をあげたり苦痛の表情を浮かべることなく、毅然(きぜん)として刑に耐えた。(『殉教 日本人は何を信仰したか』山本博文)
キリスト教/信仰
キリスト教/信仰
戦争理解するにはそれをコンテクストに当てはめて考えることが必要になってくる。軍事史と言うのは歴史のコンテクストの中の一部なのだ。──ジェレミー・ブラック、2004年
(『戦略の格言 戦略家のための40の議論』コリン・グレイ)
(『戦略の格言 戦略家のための40の議論』コリン・グレイ)
アメリカの哲学者ジョン・デューイがかつて書いたように、「科学は意味を【叙述し】、芸術は意味を【表現する】」。科学は前提を【明確にし】、芸術は感情を【顕現する】。(『二十世紀文化の散歩道』ダニエル・ベル:正慶孝訳)
われわれに〈いま〉起きているものは、じつは過去──この過去には、ほんの一瞬前に現在であった過去も含まれる──に基礎をおく自己(セルフ)という概念のうえに起きていることなのだ。(『デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳』アントニオ・R・ダマシオ)
脳科学
脳科学
化学を英語でケミストリー(Chemistry)というのが、この語源となっているのが錬金術を英語で指す言葉のアルケミー(Alchemy)なのである。近代になるまで化学と錬金術は同一視されていたのだ。(『世界の「聖人」「魔人」がよくわかる本』一条真也監修、クリエイティブ・スイート編)
諸君、幸徳君らは時の政府に謀叛人と看做されて殺された。諸君、謀叛を恐れてはならぬ。謀叛人を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ。新しいものは常に謀叛である。(徳冨蘆花)
(『日本の名随筆 別巻91 裁判』佐木隆三編)
(『日本の名随筆 別巻91 裁判』佐木隆三編)
一般に、一つの相から別の相に物質や系のグローバルな状態が変ることを相転移と呼びます。相転移は不連続的に突然おきるのが普通です。氷を暖めて水にする時には摂氏零度で氷が急に溶けて水に移ります。(『生命を捉えなおす 生きている状態とは何か』清水博)
そう、球面上には交わらない直線はないのである。さらにここでは、三角形の内角の和は180度を超える。(『相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙』アミール・D・アクゼル:林一訳)
アインシュタイン
アインシュタイン
「理」は「筋が通っていること」で「正しさ」や「誠実さ」を表わし、古来の徳目である「義」や「誠」に通じており、利益を意味する「利」よりも格が上である。(藤原肇)
(『ジャパン・レボリューション 「日本再生」への処方箋』正慶孝、藤原肇)
(『ジャパン・レボリューション 「日本再生」への処方箋』正慶孝、藤原肇)
ロンドンの人々は、19番のバスを1時間も待った挙げ句、一度に3台もやってきた、とよく不満を垂れる。地震もそうなのだ。地震はまとまって起きるのである。(『歴史は「べき乗則」で動く 種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』マーク・ブキャナン)
人間が言葉を失ったときには、だれでもが、「コミュニケーションがいちばん大切だ」ということに気がつくのですね。(『紙屋克子 看護の心そして技術/別冊 課外授業 ようこそ先輩』NHK「課外授業 ようこそ先輩」制作グループ、KTC中央出版編)
「精神の異常」は、けっしてある個人ひとりの中での、その人ひとりにとっての異常としては出現しない。それはつねに、その人とほかの人びととの間の【関係の異常】として、つまり社会的対人関係の異常として現れてくる。(『異常の構造』木村敏)
ダレール●わたしたちは人道を最優先していて、そのように振る舞ってはいます。しかし、実際にはサハラ以南のアフリカを援助するためにわたしたちが犠牲を払うことは、まったく優先されていないのです。(『ロメオ・ダレール 戦禍なき時代を築く』ロメオ・ダレール、伊勢崎賢治)
・ルワンダ
・ルワンダ
アメリカの評論家すらもが、テロリストの攻撃は、かなりの程度アメリカ自身の外国での行動の結果であったと述べているが、それは、軍事面ばかりか、大多数の国々に対する財政的な圧力を通じての行動を指している。(『超帝国主義国家アメリカの内幕』マイケル・ハドソン)
・国家
・国家
「ズキン、ズキンとするのは痛いけれど、私にはそれが、建築現場の槌音のように感じるのです。ズキン、ズキンとくるたびに、私の壊(こわ)れた体が健康な体へと生まれかえさせて頂(いただ)いている。(『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ 若き医師が死の直前まで綴った愛の手記』井村和清)
「未解決問題があるかぎり、科学は生気に満ちている。問題の欠乏は科学の死を、すなわち独自の発展の停止を意味する」ヒルベルト(『新装版 数学・まだこんなことがわからない 難問から見た現代数学入門』吉永良正)
数学
数学
【一説にはGDPの4倍近い金融資産が世界中を乱舞していると言われています。これは従来の経済学の範疇になかったことです】。(『大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか?』朝倉慶)
最近のブラックホール研究は、ブラックホールの意外な面を暴き出してきた。ブラックホールこそは莫大な電磁波その他の形のエネルギー供給源であり、宇宙が現在の姿になるために多大な貢献をしてきたらしいのである。(『ブラックホールを見る!』嶺重慎)
不可触性の不当、不正義、不平等、非合理を真に憎んだガンジーは、一方であくまで敬虔無比なヒンズー教徒であり、カースト制を否定しなかった。いやむしろ、その存在をインド社会の中心的柱として肯定(こうてい)した。(『不可触民 もうひとつのインド』山際素男)
かつて、宗教学を専攻する先輩に、印哲は初めから仏教をよいもの、価値あるものとして扱っていて、方法論上の反省が足りない。宗教学は、まず方法論の自覚から出発するのだ、と指摘されたことがあった。(『仏教は本当に意味があるのか』竹村牧男)
・仏教
・仏教
君は忿怒佛のように
今こそ
怒らねばならぬ
怒れ 怒れ
怒って 怒って 地上をのたうち回れ
虐げられた難民
苦しむ衆生のために(「君は忿怒佛のように」)
(『わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか』多田富雄)
リハビリ
今こそ
怒らねばならぬ
怒れ 怒れ
怒って 怒って 地上をのたうち回れ
虐げられた難民
苦しむ衆生のために(「君は忿怒佛のように」)
(『わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか』多田富雄)
リハビリ
亡くなる前日、ニザールは小鳥を逃がしてやった。「小鳥の母親が、子どもがいなくなって悲しい思いをしているといけないから」と言って。(ニザール・エイデ、15歳)
(『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ/イザベル・デ・ラ・クルーズ写真:岡真理、岸田直子、中野真紀子訳)
パレスチナ
(『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ/イザベル・デ・ラ・クルーズ写真:岡真理、岸田直子、中野真紀子訳)
パレスチナ
我々はみな、ひとりひとりが、自分が自分のあり方として想像したもの、そして相手から想像されたものとして存在している。(『ジェノサイドの丘 ルワンダ虐殺の隠された真実』フィリップ・ゴーレイヴィッチ:柳下毅一郎訳)
ルワンダ
ルワンダ
周知の通り、彼は、絶えず献身的な若い女性に取り巻かれていた。彼は、彼女らを自分のベッドで寝させるのが習慣となり、彼を暖めるために、服を脱いで彼の裸体に身体をぴったり寄せて寝るよう要求した。(『ガンジーの実像』ロベール・ドリエージュ:今枝由郎訳)
ガンディー
ガンディー
われわれにそのような手段が豊富にあるわけではない。方法はただ一つしかない。それは消極的抵抗である。(※白バラのビラIII)
(『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編:石田勇治、田中美由紀訳)
(『「白バラ」尋問調書 『白バラの祈り』資料集』フレート・ブライナースドルファー編:石田勇治、田中美由紀訳)
松山●わたくしの見るところでは、『大智度論』の作者とされる龍樹や『法華経論』の作者とされる世親は、ともに大学匠でありながら、『法華経』の本質を掴んでいません。(『蓮と法華経 その精神と形成史を語る』松山俊太郎)
仏教
仏教
「間に合う」から外れると、間が抜けて、「間抜け」になります。「間抜け」な状態は運を落とします。間に合っていれば運がいいのです。間に合うには、いつも我が身を「間の中」に入れておくようにすることです。(『運に選ばれる人 選ばれない人』桜井章一)
問題は、人間の頭脳はまるで同じ曲を何度も流しているレコードのように、古い習慣の中で働き続けているということです。その雑音(習慣)が鳴り続けている間は、何も新しい曲を聴くことができません。(『英知の探求 人生問題の根源的知覚』J・クリシュナムルティ)
中国が欲しがっている80キロレール(1メートルにつき80キログラムの重量に耐えるレール)は、日本の新日鉄にしかつくれない。世界最大のアルセロール・ミタルではつくれないのだ。(『無法バブルマネー 終わりの始まり 「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学』松藤民輔)
何より驚かされるのは、彼がこの時期、一行も本を読まず、一行も文章を書かなかったことだろう。1766年、サンクトペテルブルグに戻ってまもなく視力を半ば失ったオイラーは、1771年、白内障の手術に失敗してからはまったく目が見えなかったのだ。(『新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解く』アルバート・ラズロ・バラバシ:青木薫訳)
ネットワーク科学
ネットワーク科学
教えてあげよう。人であれ、神であれ、何かの信条であれ、無条件に信じるのは、そりゃ精神の頽廃だぞ。だって、何かを信じるということは、その何かについて判断を放棄することだろうが。(『イン・ヒズ・オウン・サイト ネット巌窟王の電脳日記ワールド』小田嶋隆)
・宗教
・宗教
『買ってはいけない』が使ったトリックは、この一日摂取許容量の何百倍、何千倍というような量の食品添加物を食べさせた実験をもとに、極めて微量の使用を非難したものでした。(『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』松永和紀)
これ(※OECDの試算)によれば、日本においては「社会の上位10%の富裕層」が「下位10%の層」の実に4.9倍の所得を得ていることになっています。(『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』北村慶)
実は「水子の祟り」などという考え方は、昔はなかったのだ。医療技術が進歩し、一部の人々が優生保護法のもとで妊娠中絶に安易に走るようになってから広まったものだ。(『霊はあるか 科学の視点から』安斎育郎)
科学
科学
革命はいつでも突然起こるというものではないし、釣りあいのとれた叙事詩でもない。特に、それが観念の革命である場合には。(『黒体と量子猫 ワンダフルな物理史』ジェニファー・ウーレット:尾之上俊彦、飯泉恵美子、福田実訳)
科学
科学
ところでモノとサービスと言いますが、モノとサービスの違いはなにか? 税関を通るか、通らないかだけの差なんですよね。モノは税関を通るがサービスというのは税関を通らない。(『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』藤巻健史)
寿命を心臓の鼓動時間で割ってみよう。そうすると哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つという計算になる。寿命を呼吸する時間で割れば、一生の間に約5億回、息をスーハーと繰り返す計算できる。(『ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学』本川達雄)
そして監獄の中で自分自身を居心地よくさせることに成功する人のことを私たちは「成功者」と呼び、一方、監獄の中で負ける人のことを「失敗者」と呼ぶのです。が、成功も失敗もともに監獄の壁の内側でのことなのです。(『片隅からの自由 クリシュナムルティに学ぶ』J・クリシュナムルティ:大野純一著編訳)
私たちは、自然界の生物は幸せで健康なものだと考えたがるが、自然淘汰は、私たちの幸福には微塵も関心がなく、遺伝子の利益になるときだけ、健康を促進するのである。(『病気はなぜ、あるのか 進化医学による新しい理解』ランドルフ・M・ネシー、ジョージ・C・ウィリアムズ:長谷川眞理子訳)
これらの数字をもとに計算すると、可能性のある脳の状態――理論的に可能な活動性の順列と組みあわせの数――は全宇宙の素粒子の数を超える。(『脳のなかの幽霊』V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー:山下篤子訳)
脳科学/デイヴィッド・イーグルマン
脳科学/デイヴィッド・イーグルマン
官制経済体制とは、中央集権、官僚制、計画経済、そして閉鎖財政(国民に見えない財産)を基本構造とする国家の類型である。官制経済体制の下では基本的に経済は権力に従属するため、本来の経済(=市場)は失われる。(『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』石井紘基)
幾多の激震を繰り返したバブルの人類史は、19世紀後半にイギリスの株式会社制度に結実した。この間のリスクとの戦いは一方で数学を発展させ、一方で株式会社の有限責任制度を生み出した。ここには常に、リスクとの知的な戦いがあった。(『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』山崎和邦)
「わたしが、がんでよかった、っていったの。ほんと、ママが、がんじゃなくてよかった。ママが、がんになったら、わたし、つらくて、生きていけなくなってしまう。でも、わたしだったら、がんなんかに負けないもの」(『いのちの作文 難病の少女からのメッセージ』綾野まさる、猿渡瞳)
──名嘉真や張とリングを離れてのつき合いは?
「まったくありません。試合の前後、口をきいたこともない。でも、あの二人には、できれば生涯の友人になってほしい、とぼくは思っているのです」(大橋秀行)
(『彼らの誇りと勇気について 「感情的ボクシング論」』佐瀬稔)
ボクシング
「まったくありません。試合の前後、口をきいたこともない。でも、あの二人には、できれば生涯の友人になってほしい、とぼくは思っているのです」(大橋秀行)
(『彼らの誇りと勇気について 「感情的ボクシング論」』佐瀬稔)
ボクシング
タントリズムにあっては、すべてがシンボルに置きかえられる。世界も仏もシンボルとなる。シンボルあるいは記号の集積の中で、タントリズムの儀礼あるいは実践が行われるのである。(『はじめてのインド哲学』立川武蔵)
哲学
哲学
原子を一定の率で拡大して描く場合、原子核を1センチとすると、電子は髪の毛1本の直径にも満たず、原子全体の直径はサッカー場の長いほうを横にして30面並べた長さを超える。そしてその間には何も存在しないのだ。(『本当にあった嘘のような話』マーティン・プリマー、ブライアン・キング:有沢善樹訳)
この作品(『妖怪人間ベム』)には、「早くアメリカの白人なみになりたい」という当時の日本人、とくに子どもたちの屈折した欲望が、「早く人間になりたーい」妖怪人間たちの願望として、デフォルメされて描かれていたように思われる。(『男らしさという病? ポップ・カルチャーの新・男性学』熊田一雄)
(※福島県)浜通りでは70年代から通称“TCIA”(東電CIA)が暗躍。原発反対派の集会では車のナンバーを調べ、選挙では反対派候補の家や事務所に出入りする住民のをチェックする。(『東京電力 暗黒の帝国』恩田勝亘)
イスラム兵士として戦った兄弟にサラエボの町であった。無精(ぶしょう)ひげを蓄えた兄は、紛争時、極度の食糧不足の中で、革靴や皮のベルトを煮て食べたという。(『この大地に命与えられし者たちへ』写真・文 桃井和馬)
この世はいやしさにみちている。徹底して不正で、邪悪で、卑劣きわまるいやしさずくめ。そして誰もがこのいやしさに関与している。ひとり残らず、全員がそうなんだ。(『ゾマーさんのこと』パトリック・ジュースキント:池内紀訳)
社内主義とは、社員が主として社内を向いており、その結果として過度の社内サービス、内部調整、人脈づくり、社内情報収集などが起こり、付加価値創造に結びつかないエネルギーが過剰に費やされる状態である。(『スーパーサラリーマンは社外をめざす』西山昭彦)
西暦1700年か、あるいはさらに遅くまで、イギリスにはクラフト(技能)という言葉がなく、ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。技能をもつ者はその秘密の保持を義務づけられ、技能は徒弟にならなければ手に入らなかった。(『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』P・F・ドラッカー:上田惇生訳)
イッサ(※=イエス)はひそかに父の家を離れてエルサレムに行き、東へ向かう隊商らとともに旅し、「神のことば」に生きる自らを完成させるため、偉大な仏たちの法を学ぼうとした。(『イエスの失われた十七年』エリザベス・クレア・プロフェット:下野博訳)
キリスト教/堀堅士
キリスト教/堀堅士
サルは非辺縁系の感覚を二つ、連合させることができない。人間はそれができる。そしてそれが、ものに名前をつけ、より上位の抽象化のレベルを進んでいく能力の基盤となっているのだ。(『共感覚者の驚くべき日常 形を味わう人、色を聴く人』リチャード・E・シトーウィック:山下篤子訳)
脳科学/共感覚
脳科学/共感覚
ユダヤ人は着ているものに黄色い星のワッペンを縫い付けるように命令された。そうすれば、すぐに見分けがつくからだ。するとデンマークの市民は誰もがただちに黄色い星を縫い付けた。ユダヤ人を救い、自分たちもファシストにならないために、国王も国民の行動を支持した。(『プーチニズム 報道されないロシアの現実』アンナ・ポリトコフスカヤ:鍛原多惠子訳)
ロシア
ロシア
物事について徹底的に考え始めたらすぐにも、我々は誰に、あるいは何に従うべきかという命題をさしおいて、根本的な問題は他にないことが明々白々になるはずである。(『日本/権力構造の謎』カレル・ヴァン・ウォルフレン)
チルチルとミチルがお家の中で遊んでいると、ふらんすからごーんという名前のおじさんがやってきて、青い鳥を焼き鳥にして食ってしまうのである。この場合、青い鳥は何の象徴だろう? ブルーバード? ははは。違うね。ブルーカラーに決まってるだろ。(『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997‐2003』小田嶋隆)
今、NHKの番組制作の現場に、全盲の職員は一人もいません。ラジオ第2放送の「視覚障害者の皆さんへ」という番組ですら、関わっている視覚障害者は全て外部の人たちです。(『怒りの川田さん 全盲だから見えた日本のリアル』川田隆一)
人間は塀の外で自由に暮らしているときには、自分のことをふり返ってみないし、わかろうとしない。自分の中にもうひとりの自分がいて酷使されていたり、粗末にされていても気がつかない。(『アメリカ重犯罪刑務所 麻薬王になった日本人の獄中記』丸山隆三)
たとえば、本部長や大阪の中心地の警察署長が転勤するときには、当時で2000万円から3000万円の餞別が地元の有力業者から贈られる。それが慣習になっていた。2000万、3000万といえば、警察署長の退職金に相当する。(『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』田中森一)
検察
検察
「モノの消費(食物など)→エネルギーの消費(電力・ガスなど)→情報の消費(デザイン、本、ブランド)→ケアの消費」ということが、いわば重層的に積み重なった社会として、現代という時代をとらえることができるのではないだろうか。(『ケアを問いなおす 「深層の時間」と高齢化社会』広井良典)
岸田●私はよく言うんですが、日本のテレビ番組の時代劇は水戸黄門とか、遠山金四郎とか、権力側の代表者が最後に出てきて事件を解決するという筋書きになっているのが多い。悪代官がいて悪いことをしている、そこに水戸黄門が出てきて解決する。村の人たちが怒って団結し、悪代官をやっつけたという時代劇がないんですね(笑)。だから国民の側に、全知全能の立派な為政者にすべてを任せれば、うまくやってくれるという期待があるんじゃないか。(『ものぐさ社会論 岸田秀対談集』岸田秀)
「聞く技術」というものがあります。本当に相手の言葉を聞くためには、あらゆる偏見や、前もって公式化されたものや、日常の生活の問題などを捨ててしまうか、脇へ片づけておかなければなりません。(『自我の終焉 絶対自由への道』J・クリシュナムルティ)
「あんたが投げだしたら、その途端にあんたは負ける。あんたが投げだしたら、あんたについてきた他の連中が幾人か死ぬかもしれない。希望を捨てることは人の命を奪うことなんだ」(『遙かなるセントラルパーク』トム・マクナブ)
小泉三申は、小学校を卒業しても、進学は許されなかった。村には漢学塾があったが、一ヶ月十銭の謝礼がはらえない。他家の子守にやとわれた三申は、子供を背中におぶさったまま塾の庭に立ち、もれ聞こえる講義の声を聞いて自分の血肉とした。(『出世を急がぬ男たち』小島直記)
「無責任なことをいっちゃいけないよ。考えついたり、真似ごとをするのと、本当にやり通すのとは全然違う。あの人はそれをやったのじゃ。あんたはやっとらん。わしもしとらん。そこがだいじじゃ」(『通りすぎた奴』眉村卓)
人間が人間として生きなかったということぐらい、恥ずかしいことはありますまい。松の木は松の木としてのびていきます。ライオンは一生ライオンの声を失いません。しかるに人間が人間らしく生きなかったということは、金銭登録器のような生活しかしなかったということは、人間としてこれ以上の恥辱はないと思います。(※銀行員だった父・義平の遺書)
(『真実一路』山本有三)
(『真実一路』山本有三)
ただ一つ、並外れて優秀なマネジャーには共通点がある。それは、新しく何かを始めようとするときに、まず、伝統的常識であるはずのルールをことごとく打ち破っているということだ。(『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違う』マーカス・バッキンガム&カート・コフマン:宮本喜一訳)
ある治療が科学的であるためには、思想ではなく理論が不可欠である。なぜなら、思想は方法論を規定しないが、理論は方法論を規定するからである。(『リハビリテーション・ルネサンス 心と脳と身体の回復、認知運動療法の挑戦』宮本省三)
リハビリ
リハビリ
私が問いたいのは死者たちの存在性格である。われわれは死者たちを思う。思うことは歴とした経験であろう。そして経験できるということは、死者たちが何らかの様式で存在するということにほかならない。(『死と狂気 死者の発見』渡辺哲夫)
生きるということは結局、一方では絶えず部分的には死んでいくものであり、一方では絶えず新しくつくられているものがあるからこそ生きているわけで、健常な人間の体の部分もそのようなことを行っている。(『リハビリテーション 新しい生き方を創る医学』上田敏)
リハビリ
リハビリ
ここまで言えば、ルソーが「抽籤による選任法は民主政の本質にかなう」と考えた理由は、もはや説明するまでもあるまい。全有権者(母集団)の縮図は、無作為抽出(ランダムサンプリング)によって構成する以外にはないのである。(『民主主義という錯覚 日本人の誤解を正そう』薬師院仁志)
民主主義
民主主義
「だから、ぼくの人生がどこに向かって行くのか、それは戦争の状況しだいなんだ。それに望みをかけるしかないんだ。
希望は……もちろんある。残念ながら、映画の中で描かれたような恋も友情も、実際に経験することはできなかった。でも、いつになるかわからないけれど、今後、人を愛せるのなら、そういう能力がまだ残っているのなら、誰かを愛したいと思う。一番大切なことは、何が起ころうとも『人間』でいることだ。『人間』であり続けることだ……」
17歳とは思えないドラシュコのこの成熟ぶりは何なのだろう。まるで「思春期」の原作者、詩人ブランコ・チョピッチが、ドラシュコの口を借りて何かを必死に伝えようとしているかのようだ。
(『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち サラエボからのメッセージ』堅達京子)
サラエボ
希望は……もちろんある。残念ながら、映画の中で描かれたような恋も友情も、実際に経験することはできなかった。でも、いつになるかわからないけれど、今後、人を愛せるのなら、そういう能力がまだ残っているのなら、誰かを愛したいと思う。一番大切なことは、何が起ころうとも『人間』でいることだ。『人間』であり続けることだ……」
17歳とは思えないドラシュコのこの成熟ぶりは何なのだろう。まるで「思春期」の原作者、詩人ブランコ・チョピッチが、ドラシュコの口を借りて何かを必死に伝えようとしているかのようだ。
(『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち サラエボからのメッセージ』堅達京子)
サラエボ
また、裁判の現場に広がっていた相場主義が、被害者の心をずいぶんと踏みにじってきました。相場主義というのは刑の重さが相場で決まるということです。(『裁判官が見た光市母子殺害事件 天網恢恢 疎にして逃さず』井上薫)
ヒトラーとユダヤ系銀行の交渉は、値段で折り合いがつかずに失敗し、ヒトラーはユダヤ人問題に対して、もうひとつの「解決」を実行することにした。それがユダヤ人絶滅策である。(『新版 リウスのパレスチナ問題入門』エドワルド・デル・リウス:山崎カヲル訳)
パレスチナ
パレスチナ
当時からCIAは国費を使って世界各国の新聞社や広告会社を買収し、運営していた。かくしてCIA局員はこれらの会社を隠れ蓑として、会社の従業員という肩書きで活動しているのだ。(『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』有馬哲夫)
テレビ
テレビ
表現するとは、当たり前にできること、当たり前にあることを大切にすること、それは、
見事な笑顔。
見事な挨拶。
見事なありがとう。
見事な見送り。
見事な歩き方。
見事な握手。
見事な立ち方。
見事な……。
(『世界に一つだけのギフト』平野秀典)
見事な笑顔。
見事な挨拶。
見事なありがとう。
見事な見送り。
見事な歩き方。
見事な握手。
見事な立ち方。
見事な……。
(『世界に一つだけのギフト』平野秀典)
「こいつが何か言ったら」メイジャーが言った。「それは真実だ」
「あんたがそう言うなら」ヤンがメイジャーに言った。
「信じろ。こいつが何か言ったら、おまえはそれをチャチャ・ファースト・ナショナル銀行に持っていって預けられる」
ヤンはうなずいた。
(『スクール・デイズ』ロバート・B・パーカー:加賀山卓朗訳)
「あんたがそう言うなら」ヤンがメイジャーに言った。
「信じろ。こいつが何か言ったら、おまえはそれをチャチャ・ファースト・ナショナル銀行に持っていって預けられる」
ヤンはうなずいた。
(『スクール・デイズ』ロバート・B・パーカー:加賀山卓朗訳)
歴史というのは、過去の出来事にとどまらず、現在に連なり、現在を絶えずつくり出している力ですから、結論的にいえば「文体(スタイル)の積畳である」と私は定義したいと思います。(『漢字がつくった東アジア』石川九楊)
〈善性〉は自由のなかでのみ開花することができます。どのようなかたちであっても、説得の土壌や強制のもとでは花開くことはありません。またそれは報酬の結果でもありません。(『学校への手紙』J・クリシュナムルティ:古庄高訳)
相関関係がいかに強くてもそれがそのまま因果関係とならないことを、たいていの人は知っている。ところがこの事実は容易に忘れられる。(『精神疾患は脳の病気か? 向精神薬の科学と虚構』エリオット・S・ヴァレンスタイン:中塚公子訳)
精神疾患
精神疾患
「このような略奪行為が民主主義の名においておこなわれ、これらの行為をするソ連が民主主義者であると称するならば、私は民主主義者を放棄する」(菅季治)
(『内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史』多田茂治)
シベリア抑留/強制収容所
(『内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史』多田茂治)
シベリア抑留/強制収容所
高山病は何世紀も前から知られていた。昔の人にとっては謎の病気であり、神の住む場所だから人間は気が狂うのだとか、山の植物が毒を発散しているせいだとか考えられていた。(『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト:矢羽野薫訳)
宗教
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