私たちの心は、海に似ているのではありませんか。さまざまのものを中に蔵して、測りがたい深みをもった、さだかならぬ塊です。それは蒼く不断にゆれて、潮騒の音をたてています。夜に、昼に、あらあらしく嘆いたりやさしく歌ったりしています。しかし、その底に何がひそんでいるのかは自分にもよく分かりません。その潮騒にじっと耳を傾けてききいると、その深みからつたわってくるのは、われらの胸の鼓動のひびきばかりです……。
 ただ、こうした心の海からは、ときどき思いもかけぬものが漂って浮びあがってきます。
(『竹山道雄セレクション IV 主役としての近代竹山道雄平川祐弘編)
「だがな、現行の民主主義だって完全じゃない。多数決の原理っていうのは、49人の不幸の上に51人の幸福を築き上げるシステムなのさ」(『グレイヴディッガー高野和明
 わたしからすれば、彼らはなにかを――なんでもいいから――創造しようとしてみるべきなのだ。そうしたら、こちらも、彼らの意見に耳を傾けよう。創造しない人々が、創造的な人々の作品を評価するのが間違っているのだ。無からなにかを作りだすこと、なにかをつなぎ合わせて、この世にないまったく新しいものを作り上げること、それこそが尊敬されるべき、困難な仕事なのだ。(『チベットの薔薇』ライオネル・デヴィッドスン:小田川佳子〈おだがわ・よしこ〉訳)
 北国、津軽地方で生まれた「こぎん刺し」は、布の補強と保温を兼ねた、はたらく刺しゅうです。(『暮しの手帖 2012年4-5月号』)
 三菱UFJ銀行の話に戻すと、同行がこのような思い切った行動(※国債市場特別参加者〈プライマリーディーラー〉の資格返上)に出たのは、国債の利回りがあまりにも低いことに嫌気がさしたと思われるが、他行ならば財務省や日銀に気兼ねして腰が引ける。後で意趣返しをされる可能性もなくはないからだ。
 なぜ三菱UFJ銀行はそうした芸当ができるのか。その理由は三菱グループが米ロックフェラー・グループに非常に近いことにあるのではないだろうか。要は、三菱UFJ銀行だけは別格扱いなのである。
(『円消滅! 第二の金融敗戦で日本は生き残れない大井幸子〈おおい・さちこ〉)
片桐●【日清戦争の賠償金は、清から日本に帳簿上、形だけ支払われ、さらに日本から英国(イングランド銀行)へ動いたということにして、実際は英国資本から戦艦三笠の建造などに携わった英国産業へカネが動いていた】わけです。(中略)つまり、【日清戦争というイベントで発生した戦費や賠償金の大半が英国の銀行間で行き来しただけで、動いたカネを日本と清が背負い、その後、そのことに縛られていくということ】なのです。(『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体 奇妙な対米属国「日本」の真実大井幸子〈おおい・さちこ〉、片桐勇治)
 そもそも、スズキという会社は分かりやすい会社である。
 彼らのクルマは、国内市場オンリーの軽自動車などでは、あっと驚くほどの見切りを敢行してコストダウンを図る。その見切りはトヨタなぞ歯牙にもかけぬほどきっぱり割り切ったそれで、おれなぞは恐れ入ったついでに、呆れ半分でコストタウンの芸術品と呼んでしまうくらいだ。
(『午前零時の自動車評論 1沢村慎太朗
 その発酵菌の大きさは、なんと1mmの1000分の1(1μm:マイクロメートル)や1万分の1(0.1μm)という、とっても小さいものですが、そんな小さなからだをしていても、自分でエサを探し出し、それを食べて人間と同じように消化吸収し、何と自分の子どもまでつくり出すのですからおどろきです。そして、とってもさまざまな味やにおい、栄養素までつくり出してくれるのですから、これまたびっくりです。(『おどろえきの栄養パワー 発酵食品の大研究 みそ、しょうゆからパン、チーズまで』小泉武夫監修)
 真剣に経営に取り組もうとするなら、経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない経営の実態をあらわす唯一の真実を示すものでなければならない。(『稲盛和夫の実学 経営と会計』稲盛和夫)
我が國民には潔いこと、あつさりしたことを好む風がある。櫻の花の一時に咲き一時に散る風情(ふぜい)を喜ぶのがそれであり、古の武士が玉とくだける討死を無上の誉としたのがそれである。日本人ほどあつさりとした色や味はひを好むものはあるまい。あつさりとしたこと、潔いことを好む我が國民は、其の長所として廉(れん)恥を貴び、潔白を重んずる美徳を発揮してゐる。しかし其の半面には、物にあき易く、あきらめ易い性情がひそんではゐないか。堅忍不抜あくまでも初一念を通すねばり強さが缺けてはゐないか。こゝにもまた我々の反省すべき短所があるやうである。我が國民の長所・短所を数へたならば、まだ外にもいろいろあらう。我々は常に其の長所を知つて、之を十分に發揮すると共に、又常に其の短所に注意し、之を補つて大國民たるにそむかぬりつぱな國民とならねばならぬ。
尋常小學 國語読本巻十二終
(『図説・日本人の国民性』林知己夫〈はやし・ちきお〉、西平重喜〈にしひら・しげき〉、鈴木達三〈すずき・たつぞう〉)
 一回一回の株式投資で、利益も出れば損も出るわけですが、回数を重ねていけば、統計学的に収益率は自国の物価上昇率とほぼ同じところに収斂(しゅうれん)します。
 その意味で、私たちが投資に成功するかどうかは、じつは日本経済がどれだけ成長を遂げ、発展するかに大きく左右されていることを忘れてはいけません。
(『今だからこそ、知りたい「仮想通貨」の真実渡邉哲也
「創共協定」はどのような経緯によって締結されたのか。「創共協定」に関して共産党はいくつもの文献を発表し、著作にもしている。「創共協定」の立役者とも評すことができる、作家の松本清張も「『創共協定』経過メモ」を書いているし、当事者の一人であった、共産党の中央委員・文化部長の山下文男は『共・創会談記』を著している。(『「創共協定」とは何だったのか 社会主義と宗教との共振』村岡到〈むらおか・いたる〉)

創価学会
 梅干し、らっきょう、白菜、キムチ……どれも人気のある定番の漬け物です。「手塩」(てしお)にかけるという言葉がるように手間をかけて作ったわが家の漬け物はひと味もふた味も違います。(『きちんとおいしく作れる漬け物』舘野真知子)
 月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして、行(ゆき)かふ年も又(また)旅人(たびびと)也(なり)。舟の上に生涯(しゃうがい)をうかべ、馬(むま)の口とらへて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅にして旅を栖(すみか)とす。古人(こじん)も多く旅に死せるあり。(『おくのほそ道 芭蕉・蕪村・一茶名句集』井本農一、久富哲雄、堀信夫、山下一海、丸山一彦校訂・訳)
 言うまでもなく、1945年のレイプ被害者の正確な数を計算することは決してできることではなかった。一般的には200万人のドイツ人女性が被害にあったと想定されている。この数字はポーランド人女性ばかりではなく、国防軍によって強制労働のためにドイツに連行されていたソビエト女性ならびに少女を除いたものである。しかしベルリンの数値はおそらくドイツ全土でもっとも信頼がおけるもので、二つの主要な病院の報告により、9万5000人から13万人とされている。著者が生活していた中規模なアパート1棟で少なくとも12人程度の女性および少女がレイプされていることを考慮に入れれば、この数値は水増しされたものとは考えにくい。(序文)『ベルリン終戦日記 ある女性の記録』アントニー・ビーヴァー序文、ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー後記:山本浩司〈やまもと・ひろし〉訳
「日本のメーカーがやるべきことは、まず過給ダウンサイジングの土俵に上ること。技術を深めるのはそこからの話じゃ」
 博士がこう話したのは2012年、スバルが投入した新世代水平対向エンジン、FA20DTIを前にしてのことである。(中略)当時から小排気量版の登場を予見していた博士は、「1.6lが本命。はよ乗りたい」と繰り返し語っていた。(『博士のエンジン手帖 3』畑村耕一〈はたむら・こういち〉)
 昭和49年12月28日、創価学会日本共産党との間に、向う10年間を有効期間とする「創価学会と日本共産党との合意についての協定」の調印が行なわれた。世にいうところの「創共協定」である。この立会人は私である。私が池田大作創価学会会長とも、宮本顕治日本共産党委員長とも、個人的に識(し)っているため、この協定にいたるまでの相互の折衝を仲介した。(『作家の手帖松本清張
 辻元(清美)議員の選挙区である大阪府高槻(たかつき)市は、日本赤軍の重信房子(しげのぶふさこ)が潜伏、逮捕された土地だ。(『売国議員』カミカゼじゃあのwww)
 泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん(『豆腐屋の四季 ある青春の記録』松下竜一)
 中国での買い付けは、基本的に代行業者を介して行います。慣れてくればメーカーや工場と直接取引を行うこともできますが、【最初は代行業者を経由して注文を行ったほうがよい】でしょう。これにはいくつかの理由があります。
1.アカウントや決済サービスの準備が大変
2.日本へ発送できない出品者が多い
3.個別だと送料が割高になる
4.品質も問題もあるので検品が必要
5.価格交渉をやってもらえる(代行業者による)
(『Amazon個人輸入 はじめる&儲ける超実践テク104』大竹秀明)
 裕一は唖然としていた。死のうとしている人間の心は、生と死の狭間でこんなにも簡単に動揺するものなのか。必死になって、福原にかけてやる言葉をひねり出そうとした。だが、何と言ってやればいいのか。自殺につながる直接の原因は何か。親を騙して進学させてもらった罪悪感か。周りに合わせられない疎外感か。東京暮らしになれない劣等感か。勉強する気も起こらない怠惰な自分への無力感か。
 おそらくそのすべてだ。一つ一つの悩みは小さいのに、全部が複雑に絡み合って福原を死に追いやろうとしている。
(『幽霊人命救助隊高野和明
 まず、一般的な輸入ビジネスの場合、円高の時には旨みがあるが、円安になると旨みがなくなる。しかし、中国の輸入ビジネスには【円高も円安もあまり影響がない】という。
「たとえば、100円ショップで売っているような安いボールペンは、中国で10円くらいで作られたものが日本に入ってきているの。円安になって10円が12円になっても20円になっても、それくらいの違いなら、それほど大きな影響は出ないのよ。もともとの粗利が大きいから」
(『輸入ビジネスがすらすらデキる本 1日1時間で月収100万円!』佐藤大介)
お尻立ちキープ
 たとえばテレビを観ているときに、お尻の仙骨を支点にして両脚を床から浮かせる。上半身は後傾姿勢。そのままバランスを取り続ける。キープの時間で体幹の安定性が試される。
・1分以上キープできる 2点
・30秒以上1分未満キープできる 1点
・キープできても30秒未満 0点
(『Tarzan (ターザン) ファンクショナルトレーニング超入門 2013年7月25日号』)

筋トレ
 端的に言えば、アジア太平洋で戦争を引き起こし、世界を混乱させたのは日本ではなく、ソ連・コミンテルンとルーズヴェルト民主党政権だったのではないか、という視点が(アメリカで)浮上してきているのです。日本からすれば、我々が戦ったのはアメリカのルーズヴェルト民主党政権だったわけですが、そのルーズヴェルト民主党政権はソ連・コミンテルンの工作員たちによって操られていたのではないか、ということです。(『日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追求するアメリカ』江崎道朗〈えざき・みちお〉)

ヴェノナ日本近代史
 宗教があれば宗教現象(注:寺院・典礼・信仰集団など)がある。では、宗教現象があれば宗教があるのか、と問われれば、この答えは簡単なようで簡単ではない。
 ある種の宗教現象が認められても既成宗教はそれを宗教と認めないであろうし、ある種の教義(ドグマ)があり、たとえ観光の対象にすぎなくなっても宗教的遺構で何らかの祭儀がおこなわれていれば、たとえ宗教現象が見られなくても、人はそれを宗教的対象と見るからである。
 さらに面倒なことは、宗教を否定しているある種のイデオロギーに基づく運動にも、広い意味の宗教現象が見られるからである。
(『池田大作と日本人の宗教心山本七平

創価学会
 ちなみに日本の自動車メーカーでダントツのシェアを誇っているのはトヨタですが、そのトヨタまでが2008年のリーマンショックのとき、内部留保という余り金でやってたバクチの大損が結構被害甚大だったらしい。
 思えば、ここの会社が得意にしていたのは品質向上および大量生産と、これによる廉価化のノウハウです。バブル以降の20年間にそれをさらに磨き上げて、他社がバブル崩壊で半死半生となって立ち直るのに手間取っているのを尻目に、ぶっちぎりの業績を上げきたわけです。
(『自動車問答沢村慎太朗
 レールから脱線したときに、レールの外を走れることに気がつくのです。そして自分に自信がつけば、沼地でも岩場でも走ろうという意欲が湧いてきます。(『逃げる力百田尚樹
【ガバっと起床する動作が、首(頚椎)と腰(腰椎)に負担】をかけているのです。毎朝、そんなことをしていたら、今は痛みがなくても、いつか痛めることになってしまいます。
 どのような状態で寝ていても、【起床するときにはまずうつ伏せ】になりましょう。そして、うずくまるような態勢を取って、腕をついて起き上がります。こうすると頚椎、腰椎、そして背骨に負荷がかかりにくくなります。赤ちゃんが目覚めて体を起こすときには、うつ伏せから起き上がり、腕をついてハイハイしますね。その動作と同じです。
(『体の痛みが13秒でスーッと消える! すごい整体』上原考一)

ストレッチ
 矢倉沢往還は赤坂御門(江戸)から渋谷、三軒茶屋、二子玉川、溝の口、荏田、長津田、下鶴間、国分、厚木、愛甲などを経て沼津(駿河国)へ至る大山の参詣道。赤坂御門から大山までは約70kmの道のりで、現在、東急田園都市線(三軒茶屋~長津田付近)や小田急線(国分~愛甲付近)が同じようなルートを走る。この街道はとうかいだおうの脇往還として機能し、道中、矢倉沢関所が設けられていたことから矢倉沢往還と命名されたが、江戸時代中期以降、江戸からの参詣客が急増、やがて大山街道と呼ばれるようになった。(『地図で楽しむすごい神奈川』都道府県研究会)
 アメリカは、同盟国群に、「中国が主導するAIIBに参加しないよう」要請(命令)していた。
 ところが、概述のようにイギリスは3月12日、G7諸国ではじめて参加を表明。
 これに、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、ルクセンブルク、オーストラリア、韓国などがつづいた。
 これらの国々は、【「アメリカのいうことを聞かなかった」】。
 つまり、【アメリカの覇権(支配)を拒否した】。
 だからこれは、【「アメリカが覇権を喪失した象徴的事件」】なのです。
 そして、アメリカの要求を無視した国々は、【逆に中国のいうことを聞いた】。
 もちろん、これで「中国が覇権国家となった」と考えるのは早計過ぎます。
 しかし、「覇権に近づいた」とはいえます。
(『中国に勝つ日本の大戦略 プーチン流現実主義が日本を救う北野幸伯〈きたの・よしのり〉)
 別れに臨んで蒋(介石)は、根本(博)の手を強く握り、
「東亜の平和は、わが国と日本が手を握ってゆく以外に道はない。あなたはかならず中国へ帰ってくるんだ。そして私と協力しよう」
 と言った。
(『四万人の邦人を救った将軍 軍司令官根本博の深謀』小松茂朗)

日本近代史
 私は爽やかな気分になり、英語を勉強していたことを忘れ、そしてこの選手の言葉(※dedication/献身)が私の生涯の言葉になった。考えてみれば人間は利己的な生物だが、それでいて何かに身を捧げている時が一番、美しく、楽しく、充実している。それは決して自分のために行動している時ではなく、自分が産んだ子供、自分の教え子、科学、美術、そして社会、自分ではない何かに熱中している時が人間を幸福にする。(『武田邦彦の科学的人生論 『武田先生、ホンマでっか!?』武田邦彦
「他人を殺せば死刑になることくらい、小学生だって知ってるよな?」
「ええ」
「重要なのはそれなんだ。罪の内容とそれに対する罰は、あらかじめみんなに伝えられている。ところが死刑になる奴ってのはな、捕まれば死刑になると分かっていながら、敢えてやった連中なのさ。分かるか、この意味が? つまりあいつらは、誰かを殺した段階で、自分自身を死刑台に追い込んでいるんだ。捕まってから泣き叫んだって、もう遅い」南郷は、苛立った口調になった。頬のあたりの筋肉が、心の奥底の憎悪を押し殺そうとするかのように硬く緊張している。「どうしてあんな馬鹿どもが、次から次に出てくるんだろうな? あんな奴らがいなくなれば、制度があろうがなかろうが、死刑は行われなくなるんだ。死刑制度を維持しているのは、国民でも国家でもなく、他人を殺しまくる犯罪者自身なんだ」
(『13階段高野和明
 しりぞくことは死を意味する闘争の世界――それがヨーロッパである。それは同時に与えることが餓死を意味する世界でもある。このような条件下で数千年間鍛えられた人間性が、現在のヨーロッパ人のなかに生きている。いわば彼らは、ヨーロッパの歴史的風土のなかでそれを骨肉化してきたものなのだ。勝負に関し、かれらが私たちには想像外の徹底さと執拗さを持ちつづけているのは当然といわねばならない。(『敗者の条件会田雄次〈あいだ・ゆうじ〉)
 私たちは英軍兵舎の掃除にノックの必要なしといわれたときはどういうことかわからず、日本兵はそこまで信頼されているのかとうぬぼれた。ところがそうではないのだ。ノックされるととんでもない恰好をしているときなど身支度をしてから答えねばならない。捕虜やビルマ人にそんなことをする必要はないからだ。イギリス人は大小の用便中でも私たちが掃除しに入っても平気であった。(『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界会田雄次〈あいだ・ゆうじ〉)

日本近代史
 訂正はわずか5秒で終わった。
「両国」を「日台双方」に変えただけだ。
 代表処では台湾についてひとつの認識がある。
 それは1972年に日本が台湾と国交を断絶し、中華人民共和国、いわゆる中国と国交を結んだときに発表された日中共同声明に基づくものだ。
 その中で、中国は「台湾はあくまでも中華人民共和国の一地方にすぎず、『国』として扱ってはならない」と主張している。一方、これに対する日本政府の見解は、この「中華人民共和国の立場を十分理解し、尊重する」ということになっている。
(『アリガト謝謝(シエシエ)』木下諄一〈きのした・じゅんいち〉)
 1862年に至って、ガトリングがクランクで操作する機関銃を発明、すぐに改良がなされ、1分間に200発の連射が可能になった。1884年にはハイラム・マクシムが、いったん引き金を引けば、あとは離すまで全自動(フル・オート)で連射しつづける高性能の機関銃を発表。1892年、アメリカでウイリアム・ブラウニングが独自の全自動式銃を改良したが、これは銃身のガス圧で作動するものだった。これらの機関銃はいずれも設計がよく、比較的大量生産向きで、実戦にも十分耐えうる代物だった。そのうえ火力の口上も驚異的だった。ガトリングは自分の機関銃をこう紹介している。「他の火気に比べれば、この期間銃は、鎌に代わるマコーマックの刈り取り機、単なる縫い針に代わるミシンに匹敵する」。(『機関銃の社会史』ジョン・エリス:越智道雄〈おち・みちお〉訳)
竹山道雄●それから、戦争に負けたときは、非常なショックだった。私はそれを思い出すたびに一種の感慨を持つんですけれども、和辻先生という方は古今東西に通じる大学者であったし、人間もりっぱな方で、一時の流行に従ってものを考えたりいったりすることは絶対になかった。その和辻先生でさえ、戦後、この敗戦は、日本歴史全体が間違ってたから、日本文化そのものの責任であるといったような考え方をされた。『鎖国』という本は、りっぱな研究だと思いますが、あれの前後にワクがついている。つまり徳川氏が精神的怯懦のゆえに、積極的に外へ進み出ないで、中へひっ込んでしまった。その計算書をいまわれわれは突きつけられているのである、ということが書いてあります。私はそういうふうに解することはできない。日本人の原罪のせいだというふうに解するのはおかしいと思うんです。(『石田英一郎対談集 文化とヒューマニズム』石田英一郎)
 軽トラックとは、こんな自動車である。
 それは普通に走る。そう言うと凡庸なクルマだと蔑んでいるように捉えられるかもしれない。だが現代において、普通に走ってくれる自動車は稀なる存在なのだ。自動車雑誌を飾る新型車の多くは、眩しいブランドと目を剥くような値札を掲げる輸入車を含めて、TVのバラエティ番組で騒ぐ若手芸人や自称アイドルのように姦しく浅薄な自己主張をするだけで、その実、落ち着いて真っ直ぐ走ることも叶わないおかしな機械ばかりになってしまった。確かな機械への信頼感とともにその辺の道を穏やかに走ろうとしても、情緒不安定な思春期の中学生の如くこれを拒むクルマのいかに多いことか。そんなときに軽トラックに乗ると思う。ああ、自動車とはこういうものでいいのだ、本来こういうものであるべきなのだ、と。
(『軽トラの本沢村慎太朗
 ピカソは、他の著名親ソ知識人同様、知ってか知らずか、「監督」スターリンの振り付けに忠実に従う「スター俳優」であった。第二次大戦中パリに住んでいたピカソは、連合軍によるパリ解放後、フランス共産党に入党し、1950年にスターリン平和賞を受賞、スターリン批判後、同賞がレーニン平和賞と改称された後の1962年にも、再度受賞した。(『日本人が知らない最先端の「世界史」2 覆される14の定説福井義高
 私は戦後10年に次のように記した。
 ――人間はナマの現実の中に生きているのではなくて、彼が思い浮かべた現実像の中に生きている。もし彼がはげしい要求をもっていると、彼はこの現実像をただ要求にしたがって構成して、それをナマの現実とつき合せて検討することを忘れてしまう。かくて、いわば「第二現実」とでもいったようなものが成立する。これは映画に似ている。すなわち、ある特定の立場から材料を取捨選択(しゅしゃせんたく)してモンタージュしてでき上ったものであり、現実を写しながら現実とは別なものである。この映画は、それ自身の中に因果(いんが)の法則をもち、筋書(すじがき)をもち、昂奮(こうふん)させ陶酔(とうすい)させる。……進歩主義的世界像も「第二現実」というタイトルをもった映画である(「昭和の精神史――主観をもった主体」)。
(『歴史的意識について竹山道雄
 でも、「逃げる自由」は誰にでもある。逃げたほうがいいときだってある。(『逃げる自由為末大〈ためすえ・だい〉)
 パワステやパワーブレーキはもちろんのこと、もっと込み入った制御がいまはアタリマエについている。そうした装置というか装備というか、新しいものをつけたら「こんなことができる」。いままでなかったなにかがくわわる。一見プラスのようでいて、道具としての扱いやすさからすると、実はマイナスになっている。新しい装置や制御を追加したことで発生するそのマイナスをいかに減らすか。出さないか。考えかたとしてはそっち方向でいくべきである。EPSだから、あるいはこれこれいう制御があるから、その都合でしょうがない。作る側や売る側のいいわけは聞きたくない。(『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由2 逆説自動車進化論國政久郎〈くにまさ・ひさお〉)
 まず真っ先にインプットしておきたいのが、関節や体勢を固定(ロック)しない=「ノンロック」の動き。簡単いいえば、【ひじやひざを完全に伸ばしきったり曲げきったりしない】、いわば中途半端な姿勢で動作を続けるということです。
 たとえばスクワットなら、ひざを伸ばしきって完全に立ち上がる前にしゃがみはじめ、完全にしゃがみ込む前に立ち上がることをくり返します。
(『スロトレ完全版 DVDレッスンつき』)
キャベツとおかかのサラダ

材料 キャベツ1/2玉
A かつお節…がっしりふた掴みほど
  ごま油…小さじ2
  マヨネーズ、めんつゆ…各大さじ1
  しょうゆ…小さじ1/2

作り方
1 キャベツをざっくりと食べやすい大きさにちぎる。
2 1を耐熱ボウルに入れ、ふんわりラップをかけて電子レンジで6分30秒加熱する。
3 2にAを加え、混ぜたら完成。

(『珍獣ママの絶品ズボラごはん。』後藤麻衣子)

レシピ本
 さて、アクセンチュア(※コンサルティング会社)の企画書で非常に興味深いのは、「広宣事業」の改革について示された部分だ。そこにはもはや仏教用語はかけらも見られず、日蓮仏法は影すらない。「会の価値」として中心に置かれているのは「三代会長の思想・行動」だけである。それを「不変の原理」として様々なコンテンツや経路で学会員や社会に伝えるべく、資料を収集し歴史を編纂(へんさん)するためのアーカイブ事業を打ち立てることが、企画書における目玉の一つでもあった。つまりはそれが現代における広宣流布というわけである。(『創価学会秘史高橋篤史

創価学会
 しかはあれど、ツァラトストラは孤りとなったときに、自らの胸に言ったのである。
「ありうべからざることではないか! かの老いたる聖者は森の中にあって、いまだついに耳にしたことがないのである、――神は死んだ!、と。」――
(『ツァラトストラかく語りきニーチェ竹山道雄訳)
「包丁でいうと、いまどんなものを切っているか手応えでわからない包丁は、あまりないですよね。あるいは、切るものに刃が当たっているそのところでなにが起きているかがわからない包丁は」
――はい。
「では、それと同じぐらい、クルマというのは人間にとって扱いやすい道具になっているでしょうか。たとえば、いまの速度がどれぐらいか、メーターを見なくてもちゃんと把握できるか。あるいは、いま走っている路面がどのぐらい滑りやすいのかが、滑る前にわかるかどうか。そういう、ほしい情報が感覚で得られるかどうか。それだけの、いわば触感がちゃんと備わっているか」
(『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由國政久郎〈くにまつ・ひさお〉、森慶太)
 古代エジプト人はギザの大ピラミッドの建設資材の運搬のために巨大な石の重量に耐える石畳(いしだたみ)の道を整備しました。古代中国では紀元前1100年代頃に大規模な街道を一部石畳で整備し、その後全長を4万kmまで伸ばしたといわれています。インカ人は伝令たちが使う街道をアンデス山脈に張り巡らせ、マヤ人たちもヨーロッパ人による新世界発見より前にメキシコで石畳の道路網を整備しました。古代の道路整備は軍事的な意図も強く、「すべての道はローマに通ず」と言われた古代ローマ帝国の道路は領土の拡大と繁栄に貢献しましたが、その維持補修費は道路を造れば造るほど膨れあがり、帝国滅亡の原因にもなりました。(『道路が一番わかる』窪田陽一監修)