そして、その惑星がほどよく暖まるよう、近からず遠からずの距離で恒星の周囲を回転させたいと考えていることを説明した。さらに惑星を構成する各成分の、分量と必要経費を算出した見積もりを示した。いったい彼らの目的は何なのか? 種々の条件を勘案すると、その小さな球体には、きわめて興味深く、楽しい現象があらわれるらしかった。
 それはすなわち、生命。
(『神を見た犬』ブッツァーティ:関口英子訳)