起信論』の思想スタイルの第二の特徴は、思惟が、至るところで双面的・背反的、二岐分離的、に展開するということである。言い換えるなら、思惟の進み方が単純な一本線でない、ということ。そこに、この論書の一種独特の面白さ、と難しさ、とがある。(『東洋哲学覚書 意識の形而上学 『大乗起信論』の哲学井筒俊彦

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