私の教え子だったある23歳のソマリア人女性も、首都モガディシオで銃撃を受けこの世を去った。その直後、彼女の上司であるソマリア人のNGO職員は、静かにこう言っていた。
「この街で民兵に撃たれるというのは、残念だけど、交通事故に遭うようなものなんだ。でも、泣き寝入りするだけで動ける人が動かないままだと、何も変わらないんだ」
(『職業は武装解除』瀬谷ルミ子)

伊勢崎賢治