民俗学の立場からしぐさを研究するいことの意義を説き、その重要性を訴えたのは柳田國男である。柳田は、昭和16年(1941)に発表した「涕泣史談」のなかで「今日は言葉というものの力を、一般に過信して居る。(中略)書いたものだけに依って世の中を知ろうとすると、結局音声や『しぐさ』のどれ位重要であったかを、心づく機会などは無いのである」と、言語の力を過信する当時の風潮を批判した。(『しぐさの民俗学 呪術的世界と心性』常光徹)

呪術