デカルトはこのように宇宙や地球の形成を、聖書によってではなく、粒子論的・機械論的な理論で説明した。そこではそれまでに続いてきた「閉じた宇宙」を否定して宇宙を「無際限」とし、また、アリストテレスのいう天上界の第五元素「エーテル」を否定して、宇宙も月下界と同じ物質から成ることが主張されている。天上界が神的存在の居住地であることや、諸天体が司る道徳や、その地上への影響力も否定される。(『科学vs.キリスト教 世界史の転換岡崎勝世