彼らは士気旺盛であった。侵攻してくる米軍の火力や戦力は彼らの想像を上回るものであったが、指揮官の中川州男(くにお)大佐は、上陸してくる若き米海兵隊員と一人でも多く刺し違える決意に満ちていた。
対照的に第一海兵師団長のルパータス少将は、安易な楽観主義で満たされていた。彼は側近の参謀や従軍記者らに「ペリリューは2日で占領できる。長くても3日だ」と自信満々で語った。実際には、戦闘は73日間も続いた。彼は間違っていたのである。
(『ペリリュー島戦記 珊瑚礁の小島で海兵隊員が見た真実の恐怖』ジェームス・H・ハラス:猿渡青児訳)
ペリリュー島/戦争/日本近代史