植物はヒトより世界を広域に見ていることになるが、それを像として見ているわけではない。植物は光の信号を像に翻訳する神経をもっていない。そのかわり、光の信号を生長のためのさまざまな指示に翻訳している。植物に「目」はない。ヒトに「葉」がないのと同様に。
 受けとる器官が違うだけで、植物もヒトも光を感知している。
(『植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち』ダニエル・チャモヴィッツ:矢野真千子訳)