それと、これは他では滅多に語られることではありませんが――、
KCIAエージェントの役割を担っていたのは
民団員やヤクザだけではありません。日韓交渉を円滑に進めるための潤滑油として挺身(ていしん)した
妓生(キーセン)という名もなき女性たちも重要な役割を果たしました。妓生とは単にセックスの相手をするだけではなく、歌舞音曲はもちろん、漢詩を詠んだりと一流の教養を身につけ、外国の要人の接待を任務とするために選ばれた、いわば特殊な外交官ともいえる女性たちです。日韓交渉でいえば、竹島問題の実質的棚上げは彼女たちの功績によるところが大きいとの証言もあるくらいです。(『
ヤクザと妓生(キーセン)が作った大韓民国 日韓戦後裏面史』
菅沼光弘、
但馬オサム)