これから数十年のあいだに、人間のコミュニケーション能力は大きく様変わりしていくはずだ。脳内に新たな接続が補充され、それが、これまでとは異なる新しい形で、知能の進化を推し進めていくからである。文字を読む脳からデジタルな脳への移行が進む昨今、文字を読むため、つまり読字するためには脳に何が求められるのか、また、物事を考え、感じとり、推測し、他の人間を理解する能力に読字がどう役立っているかを知ることが、ことのほか重要だ。(『
プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』
メアリアン・ウルフ:小松淳子訳)