月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(くわかく)にして、行(ゆき)かふ年も又(また)旅人(たびびと)也(なり)。舟の上に生涯(しゃうがい)をうかべ、馬(むま)の口とらへて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅にして旅を栖(すみか)とす。古人(こじん)も多く旅に死せるあり。(『おくのほそ道 芭蕉・蕪村・一茶名句集』井本農一、久富哲雄、堀信夫、山下一海、丸山一彦校訂・訳)