古代エジプト人はギザの大ピラミッドの建設資材の運搬のために巨大な石の重量に耐える石畳(いしだたみ)の道を整備しました。古代中国では紀元前1100年代頃に大規模な街道を一部石畳で整備し、その後全長を4万kmまで伸ばしたといわれています。インカ人は伝令たちが使う街道をアンデス山脈に張り巡らせ、マヤ人たちもヨーロッパ人による新世界発見より前にメキシコで石畳の道路網を整備しました。古代の道路整備は軍事的な意図も強く、「すべての道はローマに通ず」と言われた古代ローマ帝国の道路は領土の拡大と繁栄に貢献しましたが、その維持補修費は道路を造れば造るほど膨れあがり、帝国滅亡の原因にもなりました。(『道路が一番わかる』窪田陽一監修)