三菱UFJ銀行の話に戻すと、同行がこのような思い切った行動(※国債市場特別参加者〈プライマリーディーラー〉の資格返上)に出たのは、国債の利回りがあまりにも低いことに嫌気がさしたと思われるが、他行ならば財務省や日銀に気兼ねして腰が引ける。後で意趣返しをされる可能性もなくはないからだ。
 なぜ三菱UFJ銀行はそうした芸当ができるのか。その理由は三菱グループが米ロックフェラー・グループに非常に近いことにあるのではないだろうか。要は、三菱UFJ銀行だけは別格扱いなのである。
(『円消滅! 第二の金融敗戦で日本は生き残れない大井幸子〈おおい・さちこ〉)