訂正はわずか5秒で終わった。
「両国」を「日台双方」に変えただけだ。
 代表処では台湾についてひとつの認識がある。
 それは1972年に日本が台湾と国交を断絶し、中華人民共和国、いわゆる中国と国交を結んだときに発表された日中共同声明に基づくものだ。
 その中で、中国は「台湾はあくまでも中華人民共和国の一地方にすぎず、『国』として扱ってはならない」と主張している。一方、これに対する日本政府の見解は、この「中華人民共和国の立場を十分理解し、尊重する」ということになっている。
(『アリガト謝謝(シエシエ)』木下諄一〈きのした・じゅんいち〉)