年縞(ねんこう)と呼ばれる特殊な堆積物は、このような状況に風穴を開けることで脚光を浴びた。年縞とは、1年に1枚ずつ形成される薄い地層のことである。そのような地層を1枚ずつ削り取るように分析していけば、何万年も前に起こった出来事であっても、その推移を1年ごとに詳細に復元することができる。(『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』中川毅〈なかがわ・たけし〉)