人間の行動における二つの本当に劇的な変容は、現代人類なみの脳の大きさに進化してずっとたってから生じた。その変容はホモ・サピエン・サピエンスのみのものとされる。第一の変容は6万年前から3万年前にかけての文化の爆発的発達で、最初の芸術、複雑な技術、宗教が現れた。第二の変容は1万年前の農耕の登場であり、人々ははじめて作物を植え、家畜を飼い慣らすようになった。(『心の先史時代スティーヴン・ミズン:松浦俊輔訳)