現在の薬局で処方されるような薬、つまり西洋薬が世に広まるようになったきっかけは1800年代半ばのクリミア戦争です。戦争中、戦地では多くのケガ人が出ます。出血を止める必要がありました。また、不衛生を強いられるような場所で集団生活をしているので感染症などが広がる危険性もありました。急性のケガや痛みを一時的に抑えたり、出血を止めたり、感染症の原因となる菌を減らしたり殺したりすることには薬はとても有効で素晴らしい力を発揮します。そう、そもそも薬は急場をしのぐためのものだったのです。
 ところが、その後私たちは慢性疾患に対しても薬を使うようになっていきます。薬のちからで値を下げるということを慢性的に続けているのです。【現在、病院で処方されている薬の約9割は慢性疾患に対するものだと言われています。
 薬というのは、ほとんどが合成物ですから人間の身体にとっては「異物」です。】異物ですから、身体の中に入った薬は本人が感じるか感じないかにかかわらず様々な影響をよくも悪くも及ぼすことになります。
(『それでも「コレステロール薬」を飲みますか? 薬剤師が教える薬に頼らず長生きする方法』宇田川久美子)

コレステロール