ところが、さに非ず、彼らの植民地支配は決して過去のことではなく、今日の国債問題に種々の形で影を落としている。欧米人の行動パターンには、彼らに深く根付き、脈々として温存されてきた植民地時代の発想が今なお健在で、随所に現れており、他方の支配されてきた国々の側でも、植民統治下に置かれていた時代の後遺症が色々な形で残されている。この問題は現代を理解する上で、考慮を要する不可欠の要素となっているのである。
 勢力下に置いた地域の統治形態を「支配・搾取型」と「共存・同化型」に大別するならば、近世の欧米列強による帝国主義的植民地経営は、おしなべて「支配・搾取型」の統治に徹してきたと言わざるを得ず、その名残りが今日の世界でも厳然と存在し続けている。
(『植民地残酷物語 白人優越意識を解き明かす山口洋一

人種差別