以上、眺めてきたように、チベット問題に関して朝日新聞は一貫して中共側の立場に立ち続けて報道してきたことがお分かり頂けたと思う。占領下ではGHQの顔色を窺いながら媚(こ)び諂(へつら)い、1953年にGHQがいなくなると突如豹変し、一貫して中共を礼賛しチベット大虐殺の真実を伝えるどころか隠蔽(いんぺい)してきた朝日新聞。チベット大虐殺の真実を伝えることを怠ったのみならず、チベットで行われているのは、「民主化」、「解放」であると讃美し、搾取され、残虐な刑に処せられていたチベット人民たちが真に解放されるのは、中共の一部となったときだと嘘を並び(ママ)立ててきた朝日新聞。中共の一部となって、近代化も進み、晴れて文明人としてチベット人は生活できるようになったというプロパガンダを中共政府とともに行ってきたのが朝日新聞という新聞であった。(『チベット大虐殺と朝日新聞 朝日新聞はチベット問題をいかに報道してきたか岩田温〈いわた・あつし〉)