もし、これがアメリカの大統領や上院議員、州知事などだったら、私用だろうが公用だろうが出かけるときは、公用車を使うだろう。
 警備上の理由からだ。公用車というのは、使う人間の身を守るためにあるのだ。つまり、暗殺されたり誘拐されたりしたら困る人間を乗せるためのものなのだ。
 だが、日本ではまだ贅沢品と思われている節がある。危機管理の感覚の違いなのだろうが、野党や左翼系の市民団体などは、公務員や議員が私用に公用車を使うこと自体を問題視する。
(『果断 隠蔽捜査2今野敏〈こんの・びん〉)