公務執行妨害は、警察官にとっては便利な罪状だ。かつて、学生運動が盛んな時代、公安捜査員たちは、活動家を検挙するためん、「転(ころ)び公妨(こうぼう)」という手法を使った。
二人組の公安捜査員が、活動家と思しき人物に職務質問をする。いきなり、一人の捜査員が「わっ」と叫んで転ぶ。もちろん、相手は何もしていない。
すかさず、もう一人の捜査員が大声で言う。
「突き飛ばしたな。公務執行妨害の現行犯で逮捕する」
そうして、身柄を引っぱるわけだ。
これが、悪名高き「転び公妨」だ。
(『自覚 隠蔽捜査5.5』今野敏〈こんの・びん〉)
「普通の人間は、本音とたてまえを使い分けます。しかし、彼にはたてまえしかないのです。たてまえが本音なのです。竜崎にとって大切なのは原理原則です。どんなに複雑な問題に直面しても、彼は他人に迎合することなく、原理原則を貫き、結果的にそれが問題を解決することになるのです」(『初陣 隠蔽捜査3.5』今野敏〈こんの・びん〉)
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