辺野古移設問題は、より大きな
沖縄問題の一部に過ぎない、と私たちは考えています。日本政府と米軍基地を槍玉(やりだま)に挙げれば、それで済まされるような話ではありません。基地の見返りとして沖縄に配分されている巨額の振興資金も含めて、「公」や「権威」に依存して自立への道を自ら封じている保守的な沖縄の体制と、その体制を事実上支えている日本政府の姿勢が問題なのです。ここでいう「保守的な体制」とは保守系政治家や財界人だけを指すのではありません。基地反対派の大部分もこの体制を支えているのです。基地容認派と反対派は、むしろ共存共栄の関係にあるといってもいいでしょう。(『
沖縄の不都合な真実』大久保潤、
篠原章)