[朝日新聞社]大蔵省から払い下げを受けた国有地は、中央区築地5丁目、海上保安庁水路部跡で、5丁目2番1号の1万35平方メートル、計1万4680平方メートルである。登記簿によると、5丁目2番25号地は、昭和48年1月23日、朝日が所有していた浜田山グラウンドと交換によって朝日に所有権が移転している。5丁目2番1号地は48年2月12日、売払いによって朝日の手に渡っているが、この分については、この日から10年の期間で“買戻し特約”が設定されていて、買戻権者は大蔵省。売買代金は17億271万8020円と記載されている。またこの土地には「国有財産売払い代金延納」を理由として抵当権が設定されている。債権額は29億5890万円。抵当権者は大蔵省。
つまり、朝日新聞社は国に借金して都心の一等地を手に入れた。この地価は、昭和50年当時、3.3平方メートル当たり200万円はくだらないといわれた。それが56万円という安さなのである。
(『新聞は死んだ 驕り、偽善、エゴを衝く』片岡正巳)