例えば、マッカーサー自身の回顧録や占領軍内部の記録では、「占領は秩序正しく、流血なしで行われた」と記されている。だが日本側の調べた事実は逆で、特別高等(特高)警察の記録によると、進駐最初の1ヶ月で、神奈川県下で最低44件の強姦事件が発生した。それを記した特高警察は、記録を焼却された上に10月4日に解散させられている。
さらに占領期間中には、日本本土で「少なくとも2536件の殺人、2万件以上の強姦事件が発生した」とされているが、それに対して、戦後の「言論の自由」を担(にな)ったはずの日本のマスメディアは、GHQの厳しい報道規制命令を受け、極めて無力な存在であった。直接軍政下に置かれた沖縄でも、米軍兵士による非道な犯罪が繰り返されたが、その度に日本人側の記録と記憶は、目を覆(おお)うように塗り替えられていた。
(『GHQの日本洗脳 70年続いた「支配システム」の呪縛から日本を解放せよ!』山村明義)