言動力
魂を揺さぶる言葉の動力(キーワード検索推奨)
「人の上に立つには――」
と、ことばを切った
摯
(し)は、足もとに目をおとし、
「たとえば、ここに植える菽(まめ)のいうことが、ききとれるようになることだ。天の気も地の気も、その葉や茎にうつり、やがて結びあって実となる。いくら故実(こじつ)を識っても、名なし草にひとしい民の、声なき声を聴きとる耳はそだたぬ。【まめ】に教えてもらうがよい」
(『
天空の舟 小説・伊尹伝
』
宮城谷昌光
)
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