農地売却でキャッシュが入ったのはいいが、中国の影に不安や危機感、疑問を持つ住民は少なくなかった。
 ある住民が、農業委員会の関係者に中国資本の存在の有無を確認すると、真顔でこう忠告されたという。
「命に気をつけろ」
 彼はあきらめ顔で言った。
「今回のことを根掘り葉掘り聞くと危ない――という警告でしょう」
 この住民は会話を録音しているという。
(『爆買いされる日本の領土』宮本雅史〈みやもと・まさふみ〉)