この図は、450年前の江戸の姿だ。天正18(1590)年に、徳川家康が江戸の領主になった当時の土地の状態とその地名を再現したもの。根拠の資料は中世末の約100年間、南関東を支配した北条家の氏康が統治資料としてつくらせた『小田原衆所領役帳』(1559年成立)で、所領を与えた家臣560名と、彼らが支配する825ヵ所の地名が記載されている。(『江戸・東京の地理と地名』鈴木理生〈すずき・まさお〉)