新しい道は地形を無視してまっすぐに敷かれるが、古い道は地形に寄り添って造られる。歩いていて気持ちいい。
 古い道沿いには新旧とりまざった家が建ち並び、時には古い商店も残っており、四つ角には庚申塔や地蔵といった野仏があり、地元に愛されている神社が顔を出す。
 そういう視点で歩き始めると、どの街でも面白くなってくる。
(『東京古道探訪 江戸以前からの東京の古道を探る歴史散歩』荻窪圭)