――役人のように、税で取った他人の金をばら撒くのではなく、身銭を切れということですね。

 そうです。役人だってできますよ。自分の給与から社会のためにお金を出すのです。還元先は、本当に社会的に弱い人で、必要な所に、身銭を切る。決して、名誉や見返りを求めないで使うのです。

 ――還元ですね。

 そうです。これは、「天に宝を積む」というのです。お金がそれで結果的に返ってくる。そうした還元の行為によって、発想が変わってきますから。

(『人たらしの流儀佐藤優