勝者敗因を秘め、敗者勝因を蔵(ぞう)す。
 勝った戦争にも敗(ま)けたかもしれない敗因が秘められている。敗けた戦争にも再思三考すれば勝てたとの可能性もある。
 これを探求して発見することにこそ勝利の秘訣がある。成功の鍵がある。行き詰まり打開の回答がある。これが歴史の要諦(ようたい)である。
(『日本の敗因 歴史は勝つために学ぶ小室直樹

日本近代史