「私たちはゲノムやコホートの研究自体を否定してはいません。しかし被災地では住居やコミュニティを失った方たちが、今も必死で生活を再建しようとしている最中です。そのような人たちをゲノムという複雑で繊細な研究の調査対象にし、さらに負担をかけるというやり方には断固反対です。機構側は「被災地は人の出入りが少なく三世代同居が多いので、ゲノムコホートに適している」と説明しています。しかしそれは被災地のニーズとは関係のない、研究者側の都合に過ぎません。それに三世代コホートで、自ら判断を下すことができない胎児のゲノムまで採るということも大きな問題を孕んでいます」(『東北ショック・ドクトリン』古川美穂)
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