独身のころ、多くの男性の中から一生の伴侶(はんりょ)となる一人をどうして選ぶことができるのだろう、そのような重大な選択の決め手となるのは何だろう、と常々思っていた。おそらく理想の条件をできるだけ多くかなえた人が合格するにちがいない。背が高くてハンサムで優しくて、こよなく私を愛してくれて、それでいて知的で高収入で……というように。しかし実際はそんな数々の条件はどうでもよくなっていた。彼にあった魅力はたった一つ、抜群にエクサイティング(面白い)ということだけだった。(『我が家の流儀 藤原家の闘う子育て藤原美子

藤原正彦育児