そもそも車検を通すだけで何十万円もかかるという。それなら自転車を買ったほうがずっとマシだ。いざとなればレンタカーだってある。第一、横浜という電車やバスの交通網が整備されている都市で、クルマは必需品ではないだろう。
 何よりクルマを使わないという生活スタイルは、「自転車乗り」としては説得力がある。
 そんなわけで、クルマを売ってしまったのだ。08年の11月、本格的に自転車を始めて4年目のことだった。
(『気がつけば100km走ってた 二代目自転車名人鶴見辰吾の自転車本』鶴見辰吾)