20世紀初頭、「写真歴史家」を自称するエドワード・カーティスの写したインディアンの写真が、アメリカじゅうのあらゆる寄宿舎や家庭の壁に飾られていたと言っても言いすぎではなかった。彼の一貫する被写体は、アメリカン・インディアンであり、テーマは、「消えゆく民族」、そして、その典型的な構図は、気品あるインディアンがメラコリックなポーズをとりながら、セピア色した永遠に見入る姿であった。(『アメリカン・インディアンの歌』ジョージ・W・クローニン編:渡辺信二訳)