このように漢字は徐々に生まれてきたのではなく、強大な権力者によっていっぺんに生まれてきたのです。文字が生まれるには「大王」と呼ばれるような絶対的な神聖君主の存在が必要でした。
 そのいっぺんに生まれた四千数百もの文字のうち、現在でも読めるものが約二千五百文字あるそうです。
(『白川静さんに学ぶ漢字は怖い小山鉄郎

白川静