しかし20世紀初頭の発表当時は、あまりにも常識とかけ離れているため、学界ではほとんど理解されませんでした。「大陸が動くはずはない」とする当時の“正当的な”考えでは、二つの大陸に共通する化石の存在は、かつて両大陸が細い“陸橋”でつながっている時代があったからであると説明するのです。陸橋は二つの大陸をつなぐ細長い陸地や潮が引いて現れる島伝いの道のことで、それを伝って海を渡れない生物が移動したと考えるのです。(『生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像』中沢弘基)