「出草」とはいわゆる首狩りのことである。これが宗教的観念にもとづく行為であり、敵の勢力削減を目的とする戦闘とは性格が異なった。「出草」の対象は敵に限られず、異種族でさえあれば、たとえ通行人でもかまわなかった。かつての高砂族の道徳や宗教において、「出草」がどれほど重視されていたかを示す例は多い。(『霧社事件 台湾高砂族の蜂起』中川浩一、和歌森民男編著)

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