20世紀のはじめには、選挙結果や野球の試合のスコアを聞くために、大都市の新聞社の外に群衆が集まるようになった。電信は軍事作戦でも重要な役割を果たした。はじめて使用されたのはクリミア戦争中の1854年、ヴァルナにおいてで、その後はアメリカ南北戦争でも使われている。エイブラハム・リンカーンは、戦場にいる軍隊をホワイトハウスから指揮することができた最初の合衆国大統領となった。電信が登場する以前には、大統領は遠くで行なわれる戦争の戦場報告を数日、ときには数週間も待ったのである。(『黒体と量子猫 ワンダフルな物理史』ジェニファー・ウーレット:尾之上俊彦、飯泉恵美子、福田実訳)
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