言動力
魂を揺さぶる言葉の動力(キーワード検索推奨)
それはまちがいなく咆哮そのものだった。戦(おのの)き震え、必死で助けを求める、極限的苦痛を嘗(な)めさせられた者にしか発せられぬ咆哮だった。その苦痛は人間にはもはや耐えられぬもので、喉(のど)から訴えられるのではなく、肉体自身、肉や骨や神経が訴えるのだ。苦痛はそれらを強いて、最後の死にものぐるいの絶叫を絞り出させるのだ。(「黒い警官」
ユースフ・イドリース
:奴田原睦明訳/
『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20
』)
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