種はあいまいで、さまざまに変る境界を持っているのである。何がそれを種としているのかは、場合によって異なる。もしも種に全体を統一させる性質があるのならば、それが何であるのか、私たちにはわからない。何かに属するということは、何かのクラスに属するということであって、何らかの本質が存在するという証明ではない。ある意味でそれは一時的な状態であり、やり直し可能である。決して、永遠で必然的なものではないのだ。私たちが人間という種に属するのであれば、それは、私たちが何か特別な性質を持っているからではなく、私たちが、自分の系統にそのように線引きをするからなのである。(『人間の境界はどこにあるのだろう?』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト:長谷川眞理子訳)
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