感動というコトバがブームなのか知りませんが、以前はスポーツ選手が「感動を与えたい」などと口にはしなかったと思います。感動する、しないは受けるほうの自由なのですから、謙虚な気持ちがあればそんなことは言わないはずです。
それにしてもここまで日本人は感動に飢えているのかと言いたくなります。感動を与えてもらいたいほど感動のない生活をしているということかもしれません。しかし感動は与えられるものでなく、みずから動いてつくっていく積極的なものであるはずです。何かを感じて動くことで湧いてくるものです。感動は人から簡単に与えられるほど安直なものではないのです。
(『運に選ばれる人 選ばれない人』桜井章一)