一 意(おもい)は諸法(すべて)にさき立ち
  諸法(すべて)は意(おもい)に成る
  意(おもい)こそは諸法(すべて)を統(す)ぶ
  けがれたる意(おもい)にて
  且つかたり 且つ行わば
  轢(ひ)くものの跡を追う
  かの車輪のごとく
  くるしみ彼にしたがわん
(『法句経友松圓諦

ダンマパダ
【起業して成功している人というのは、実はほとんどが裏切り者】です。
 学校を卒業してすぐに起業したという人は、あまり多くないので、ほとんどの起業家は、元々はサラリーマンだったり、職人さんであったり、だいたいだれかに雇われていて、組織に属していた人たちなのです。
 組織に属していながら、その組織を裏切って独立企(ママ)業したわけです。その組織にとって、内部の人間が独立することは、望ましいものではありません。つまり、脱サラをするということは、組織にマイナスになることをするわけです。つまりは、ほとんどの起業家は裏切り者なのです。
(『起業のためのお金の教科書大村大次郎
 実は、ベネディクトの『菊と刀』抜きにしてアメリカにおける日本研究は語れない。事実、この本が出た1940年代のアメリカ及び西欧において社会科学者の多くは、国民性の研究に専念していた。特に人類学者の研究は、ソ連、アメリカ、日本の国民性に集中していた。中でも『菊と刀』は今日なお無視しがたい影響力を持っている。そしてミアーズとの関係で言うならば、『菊と刀』と『アメリカの鏡』とは、ほんの2年という短い時間をおいただけで、同じボストンのホートン・ミフリン社から出版されているのである。にもかかわらず、この2冊のその後の運命ほど好対照を見せているケースも珍しい。(『忘れられた日米関係 ヘレン・ミアーズの問い』御厨貴、小塩和人)

ヘレン・ミアーズ
 もし、輪と呼吸が基本的な形と力学を提供しているとすれば、私たちがコンファレンスをコーヒーブレーク・モードにするために必要なことは、話す内容や予定を定めるための何らかの方法だけではないでしょうか。結局、効果的なミーティングとは、ある秩序の中で目の前の課題に対処することなのです。それ以外のものがノイズや混乱を生み出すのです。(『オープン・スペース・テクノロジー 5人から1000人が輪になって考えるファシリテーション』ハリソン・オーエン:株式会社ヒューマンバリュー訳)

ファシリテーション
 つまり、お釈迦さまに出された質問を言い換えると「唯一絶対の神様は、誰ですか」ということになります。
 お釈迦さまは、次のように答えました。
「この世の支配者は、心です。この世は心に動かされているのです。この世のすべての生命は、たった一つ、心というものに屈服しているのです」
(『心の中はどうなってるの? 役立つ初期仏教法話5アルボムッレ・スマナサーラ
 人生を水のごとく流れるままに任せれば、あなたはその水になります。(『タオを生きる あるがままを受け入れる81の言葉バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル:ティム・マクリーン、高岡よし子訳)
 緊急時、人間は1人でいるときは「何が起きたのか」とすぐ自分の判断で行動を起こす。しかし、複数の人間がいると「皆でいるから」という安心感で、緊急行動が遅れる傾向にある。これを【「集団同調性バイアス」】と呼ぶ。先の実験の食道のように人間の数が多いと、さらにその傾向が強くなる。【集団でいると、自分だけがほかの人と違う行動を取りにくくなる】。(『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための防災袋』山村武彦)

災害
 戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないのであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水が来るか今のところ容易に予知することができない。最後通牒も何もなしに突然襲来するのである。それだから国家を脅かす敵としてはこれほど恐ろしい敵はいないはずである。(『天災と国防寺田寅彦

災害
 わたしは注目を求めて、自分の経験を書いたのではありません。それはむしろ逆で、自分の過去について沈黙していられたならば、そのほうが心情的には楽であったでしょう。また、苦労話に同情してもらう意図もありません。しかし、わたしと同様に、いまだ南部で囚われの身である200万人の女性が置かれている状況について、北部の女性にご認識いただきたいと思います。その女性たちは、今もわたしと同様に苦しみ、ほとんどの者がわたしよりずっと大きな苦しみを背負っているのです。(『ある奴隷少女に起こった出来事』ハリエット・アン・ジェイコブズ:堀越ゆき訳)

奴隷
石●こうした流れは、現在でもマルキストの間で受け継がれ、社会主義思想家がエコロジストに転向して、環境問題の論陣を張っている。「レッドからグリーンへ」というのが、最近の皮肉をこめたスローガンとなっているぐらいです。つまりマルキシズムの居城を失った思想家たちの一部が、環境に生きる道を見出したわけです。(『環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ石弘之安田喜憲、湯浅赳男)
 当時の本省人たちはこう言ったという
 日本人は犬だが支那人は豚だった
 犬は番犬として役にも立つが 豚はモラルもなく食い散らすだけという意味らしい。
(『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 台湾論小林よしのり
 舗石を踏む靴が火花を発しないのは、ゴム底だからとしか考えられなかった。(『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ:稲葉明雄訳)
 お寺の住職は脱税の常習犯だということ、ご存じですか?
 お寺の住職というと、仏に使(ママ)える身であり、脱税なんて絶対やらないというようなイメージを持っている方も多いかもしれません。でも、事実はまったく逆です。
 お寺を税務調査した場合、80~90%の割合で、課税漏れが見つかります。企業種の平均値が60%台なので、お寺は平均よりも20ポイントも脱税率が高いのです。
(『お坊さんはなぜ領収書を出さないのか大村大次郎
 OR(「オーアール」と読む)とは、生まれ故郷のイギリス風の表現である Operational Research(オペレーショナル・リサーチ)の頭文字のOとRをとったものだ。第二次世界大戦の頃に大きく芽吹いた、問題解決、改善などのための「方法」である。(『はじめてのOR グローバリゼーション時代を勝ち抜く技法』齋藤芳正)
 現代の文明社会は電気によって支えられている。しかしわれわれの生活が電気と不可分になったのはそれほど古いことではない。人類の近代史上に登場するナポレオンゲーテ、ベートーベンらは電気なしにろうそくの光で過ごしていたのである。(『神経とシナプスの科学 現代脳研究の源流』杉晴夫)
 枯れるとわかっているのに、なぜ杉を植えたのか。
 造林計画には地元側も参加している。気候風土をよく心得ているはずの地元が協力したのは林業振興の補助金が下りるからだ。一種の精神的荒廃を仕掛けたのは補助金という魔物である。
(『日本国の研究猪瀬直樹
 つまり、私たちは目でなにかを見たら、もう業をつくっています。耳で音楽を聞いた瞬間に、もう業をつくっています。鼻でなにかを嗅いだ瞬間に、もうカルマをつくっています。ご飯を食べると、もうカルマをつくっているのです。それは、ポテンシャルになって蓄積されます。そして、この人生をさらに、さらに、生きていきたいと、生きなくてはいけないと、そういうエネルギーをつくってしまいます。逃げることはまったく不可能です。(『現代人のための瞑想法 役立つ初期仏教法話4〉アルボムッレ・スマナサーラ
 次に、ハミングする呼吸法を紹介します。軽く目と口を閉じて、舌先を上あごにつけていきます。ミツバチの羽の音のように声帯を振動させていきます。
 少し高めで、脳を振動させるような感じがおすすめですが、自分が心地いいと感じる音の質を探ってください。
(『1日10分で自分を浄化する方法 マインドフルネス瞑想入門』吉田昌生)

瞑想
 それから45分が経過しても、会話はなお続いていました。するとメンバーの1人だったチャールズ・サヴェッジがこう言いました。「部屋の中のほかのグループでどんな会話が行われているか知りたいと思っています。1人がホストとしてテーブルに残り、ほかのメンバーは別のテーブルに移動してみたらどうでしょうか? 移動する際に、元のテーブルの会話から生まれたアイデアの種をもっていき、ほかのテーブルで紡がれたアイデアの糸とそれを結びつけ、つなぎ合わせましょうよ」。(『ワールド・カフェ カフェ的会話が未来を創る』アニータ・ブラウン、デイビッド・アイザックス、ワールド・カフェ・コミュニティ:香取一昭、川口大輔訳)

ファシリテーション
 このように、感覚はすべて苦なのですが、耐え難い「苦」が、べつな「苦」に変わっていくほんのわずかな間だけ、我々は「楽」を感じるのです。たとえば、歩き疲れて足がすごく痛い場合なら、横になったら痛みが消えて「楽」だと思うのでしょう。でも、横になって時間が経つと、また横になっていることが苦しくなるのです。(『苦しみをなくすこと 役立つ初期仏教法話3アルボムッレ・スマナサーラ
 人間の本来的な不幸は飢えと寒さであると、ある人は書いている。これは確かであるが、だれもあまり気にしていない。それよりも恋愛とか友情、嫉妬とか出世とか、要するに人間関係にその情熱のほとんどを使っている。文学を読んでも、映画やテレビを見ても、現代人の関心は自然的条件に対するよりも、圧倒的に人間関係に向いている。人間関係とは人間間における情報の交換であると極論できる。これからの社会に死活的に重要なのは、広い意味における情報の取得、処理、発信なのである。(『人間原理の宇宙論 人間は宇宙の中心か松田卓也
 もちろん、シュレーバーの父は息子を迫害するつもりで迫害したのではなく、息子を愛し、立派な人間に育てるつもりであった。本当に恐ろしいのは、子に対する親のあからさまな迫害、虐待、冷遇ではなくて、愛情、思いやり、献身といった名の迫害なのである。(岸田秀)『魂の殺害者 教育における愛という名の迫害』モートン・シャッツマン:岸田秀訳
 日本はこの(MSA)協定締結の条件であった軍備増強の義務として、1953年7月、警察予備隊から成長していた保安隊をさらに格上げし自衛隊を発足させ、アメリカ軍事顧問団を受け入れるなどしてアメリカの要請に応えた。戦後の大きな転換点となった日本の自衛隊発足、再軍備化は、アメリカの余剰農産物が活用された見事な戦略であった。
 この時受け入れた小麦のことを「MSA小麦」というが、その小麦を国内で消費するため、厚生省は粉食奨励を「栄養改善運動」の柱にして、学校給食ではパンとミルクの給食を定着させ、パン食普及などの力を入れ、「近代的」な食生活推進のために活動した。
(『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』鈴木猛夫)

玄米
「枠組み外し」とは何か。簡単に言えば、私達が「当たり前の前提」としている、「変えられない」と思い込んでいる「常識」「暗黙の前提」そのものを疑うことである。(『枠組み外しの旅 「個性化」が変える福祉社会』竹端寛)

魂の脱植民地化
「儲けとともにやってくるのは嫉妬、ただで手に入るのは同情」(『深い疵ネレ・ノイハウス:酒寄進一訳)
 臆病者め、とオリヴァーは思ったが、表情は変えなかった。署長にとっては出世が第一で、党内政治に色目を使っているから、話してもむりなのはわかっていた。(『悪女は自殺しないネレ・ノイハウス:酒寄進一訳)
 たったひとつの災難、たったひとつの原因だけでは、なかなか大惨事にはいたらない。大惨事は、貧弱なメンテナンス、意思疎通の悪さ、手抜きといった要因が組みあわされることによって発生する。そうしたゆがみは徐々に形成されていく。(『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェームズ・R・チャイルズ:高橋健次訳)

事故
 日本人は山岳を水分(みくまり)神(山の神)の住む霊地として崇拝した。山の神は里の神社に降臨して、稲作を守り、秋には新殻を農民と共食したうえで山に帰るとされた。これが春祭りと秋祭りのはじまりで、この信仰をもとに神道が成立した。(『修験道 その歴史と修行』宮家準)
 こうして2500年の歴史のなかで、お釈迦様の仏教は大きく姿を変えてきたのです。この大きく変わった仏教は、それは果たして花開き発展してきたのでしょうか。それとも変質堕落した仏教なのでしょうか。(『ブッダから日蓮まで』近藤正輝)

日蓮
 生命とは何か。生命をモノとしてみればミクロな部品の集合体にすぎない。しかし、生命を現象として捉えると、それは動的な平衡となる。絶え間なく動き、それでいてバランスを保つもの。動的とは、単に移動のことではない。合成と分解、そして内部と外部とのあいだの物質、エネルギー、情報のやりとり。(『動的平衡2 生命は自由になれるのか福岡伸一
 塩が高血圧を引きおこすという説の発端となったのは、1953年、アメリカの高血圧学者のメーネリーが行ったネズミを使った実験によります。
 メーネリーはネズミに6ヶ月間、毎日、通常の20倍にあたる20~30グラムもの食塩を与え、さらに飲み水にも1%の食塩を加えて飲ませました。人間でいえば、1日200グラムもの食塩を40年間にわたて食べさせた計算になります。
 この結果、10匹のうち4匹が高血圧になったというのです。
 この実験結果が、「塩が高血圧の犯人説」のそもそものきっかけです。
(『日本人には塩が足りない! ミネラルバランスと心身の健康』村上譲顕)

自然塩
 戦争中に「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」というポスターがあった。「工夫」の「工」を×で消した人がいたそうだ。笑いのなかにほろ苦さ、物悲しさがこもっている。「ぜいたくは敵だ」という標語には、「敵」の上に「素」という一字が書き加えられた。こうした言葉遊びは、当時の庶民感情を伝えて歴史に残っている。(『深代惇郎の天声人語深代惇郎
 ひねりのきいた驚きこそ、短編小説の命だ。(『ポーカー・レッスンジェフリー・ディーヴァー:池田真紀子訳)
 政治とはもっと広いもので、いってみれば、もてる力を、いかにすれば公正に、かつまた効率良く活用できるかの「技」(わざ)ではないかと考えています。(『マキアヴェッリ語録塩野七生
「理趣」(りしゅ)は、いろいろな意味をもつことばであるが、もともとは「道」(みち)を意味する。従って「理趣」とは「真理への趣き」「真理への道」に当ることばと理解して良い。ここでは、難解な「仏の真理」が、もっとも簡明な表現で示されている。(『和訳 理趣経金岡秀友

仏教
 プリゴジンは基本的につぎのような問いを発していた。なぜこの世には秩序と構造があるのか? それはどうして生まれたのか?(『複雑系 科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』M・ミッチェル・ワールドロップ:田中三彦、遠山峻征訳)

複雑系
 生活保護受給者は約217万人、約162万世帯で過去最多(厚生労働省、2014)
 貯蓄・金融資産ゼロの無資産世帯が3割 単身では4割近い(金融広報中央委員会、2014)
 平均所得金額 全世帯…537.2万円 高齢者世帯…309.1万円 母子世帯…243.4万円(厚生労働省、2013)
 サラリーマンの平均年収は414万円の低水準(国税庁、2013)
 生活意識が「苦しい」と答えた世帯は59.9%(厚生労働省、2014)
 20~64犀の単身男性の25%が貧困状態 女性は32%(国立社会保障・人口問題研究所、2012)
(『実録!超ド貧乏 ヤバすぎる最底辺の生現場』格差問題研究会)
 人間の魂の計量法はない。人間の心の勇気の重さを量るすべはない。(『血の咆哮』ウィリアム・K・クルーガー:野口百合子訳)
 ぼくの青春時代はいたった気楽なもので、ぼくはスキップを踏んで子供から大人になった(『偽りの楽園トム・ロブ・スミス:田口俊樹訳)
「疑問の余地はないよ、きみ。まったく疑問の余地はない。コカインは、マナグア中の政治家が成し遂げたよりも間違いなく多くをここの人々にもたらしている。悲しいことだが、麻薬が貢献しているのだ。この美しい家々を見てごらん。麻薬のおかげでできたものだ。税金のようなものだよ。学校や教会も、政府が建てたものではない。漁師たちと、彼らが見つけた代物が稼いだ金で建ったのだ」(『フェアトレードのおかしな真実 僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』コナー・ウッドマン:松本裕訳)
「貴様が何を信じていようがかまわん。キリストだろうがマホメットだろうがイワシの頭だろうが、勝手に信じるがいい。もし本当に自分の頭で考え抜いたすえに、それを信じているのならな」(『ジョーカー・ゲーム』柳広司)
ふくろう先生「いや、それは逆だよ、たろうくん。世襲君主というのは、あらゆる君主の中で最も統治が簡単なものなんだ。なぜなら、平民は君主の家系に支配されることに馴れてしまっているからね。たとえば侵略者が世襲君主の政権を奪い取ったって、平民たちが侵略者の統治に納得できなければ、世襲君主を呼び戻そうとさえするんだ。平民たちは、とにかく自分たちの生活が変わらないことばかりを願うものだから、世襲君主というのはとても統治が簡単なものなんだよ」(『よいこの君主論架神恭介、辰巳一世)
 チェルノブイリや異常気象や、人体遺伝学を巡る論争やアジアの金融危機といったさまざまな出来事や脅威と、いまわたしたちが直面しているテロの脅威に共通するものは何でしょうか。それらは、いずれも言語と現実との乖離を表しているのですが、わたしはその乖離そのものを「世界リスク社会」と呼んでいます。(『世界リスク社会論 テロ、戦争、自然破壊』ウルリッヒ・ベック:島村賢一訳)
 私はかつて伝統文化を支える三つの支柱について述べたことがある。支柱のその一は、〈強いる〉、そのニは〈くり返す〉、その三は、〈さとる〉だといった。(『コスモスの思想 自然・アニミズム・密教空間岩田慶治
 流言蜚語(ひご)の伝播の状況には、前記の燃焼の伝播の状況と、形式の上から見て幾分か類似した点がある。
 最初の火花に相当する流言の「源」がなければ、流言蜚語は成立しない事は勿論であるが、もしもそれを次から次へと受け継ぎ取り次ぐべき媒質が存在しなければ「伝播」は起こらない。
(『地震雑感/津浪と人間 寺田寅彦随筆選集寺田寅彦:千葉俊二、細川光洋編)

災害地震
 ツァラプキンは今一度彼ににっこり笑いかけた。それは、芸術家同士の連帯を意識した笑いだった。そしてその瞬間、キングは自身とこのロシア人青年が今テニスの奇蹟(きせき)を演じようとしていることを悟った。(『ウィンブルドン』ラッセル・ブラッドン:池央耿訳)
 言葉ではそこには到達できません。言葉は指し示すだけです。あまりに自然で普通のことなので、言葉にしようとしても意味をなさないんです。その言葉を聞く人がまったく同じレベルにいたり、まったく同じ感じ方をしていたりしないかぎり、言葉は誤解されるからです。自分の理解を通して自分で理解するしかありません。(『わかっちゃった人たち 悟りについて普通の7人が語ったこと』サリー・ボンジャース編:古閑博丈訳)

悟り