(1948年度)3位の【岩波雄二郎】(1919~2007)は当時の出版社の代表格である岩波書店の店主である。岩波書店は、1913年に雄二郎の父・岩波茂雄(1881~1946)が東京都神田神保町に古本屋として開業したもので、翌1914年に夏目漱石の知遇を得て『こゝろ』を出版、古書店から出版社に転じた。
 1927年に岩波文庫、1938年に岩波新書を刊行し、古典の普及と学術書の出版に注力し、「岩波文化」を形成した。
(『日本の長者番付 戦後億万長者の盛衰』菊地浩之)