歴史的に特捜部は米国と深い関係をもっています。まず1947年、東京地検特捜部が占領下で、GHQのために働く捜査機関として発足します。
敗戦直後は、それまで旧日本軍が貯蔵していた莫大な資材が、さまざまな形で横流しされ、行方不明になっていました。1945年10月にはGHQ自身が、東京の三井信託の地下倉庫からダイヤモンドをなんと16万カラットも接収しています。
そうした不当に隠された物資を探しだして、GHQの管理下におくことを目的に設置された「隠匿退蔵物資(いんとくたいぞうぶっし)事件操作部」が、東京地検特捜部の前身です。
(『戦後史の正体 1945-2012』孫崎享)
日本近代史